『絶代雙驕』邦訳第6巻。期間限定で友人となった小魚児と花無缺。互いに信頼と友情を深めていく2人だが、その前には二人を憎む人物や悪人たちの思惑・姦計が待ち受けていて……というような展開。原書の76章序盤まで消化。
これまでの話で徐々に人間らしさを持ち始めていた花無缺ですが、ここでまた一気に成長した感がありますね。やっぱり、小魚児や尊敬できる大侠と行動を共にするようになったのが良かったんだろうなぁと少ししみじみ。そんなこんなで魅力が増した貴公子が、鉄心蘭へ抱く想いは切なくなるばかり。つーか、あの状況でああいうことを言っちゃうとか、どれだけだよあんた!と思わずツッコミ。まぁ、そういうところが彼のいいところではあるんですが……。彼の想いがどうなっていくのかも注目です。
一方の小魚児も、相変わらずの口のうまさで移花宮の使者・銅先生(その正体は、まぁこの巻でも普通に分かりますが、一応こっちの名前で)をキリキリさせてくれるので面白くて仕方がなかったです。それだけでなく、育ての親たちの危機を知るや助けに行こうとしたり卑劣な敵に斃された人を前にした態度など、話が進むたびに格好良さが増して嬉しい限り。
あとは、分かってはいても江玉郎の卑劣さにむかつく。世間知らずにつけこまれ、彼の毒牙にかかってしまった鉄萍姑は哀れというか気の毒というか……うーむ(今の時点でなんというべきか困ってるらしい) えーとともあれ、この男の暗躍は有り難くないことにまだしばらくの間続くので、なんとも頭が痛くなってしまうところです。
さて、次巻ではどんな展開が待っているのか。一応知ってはいても、恋愛模様もいろいろ動くし、新規登場人物もまだまだ登場するし、やっぱり素直に楽しみです。……花公子の切ないあの場面とか、あの人たちの初対面とかがどういう風に訳されてるのか、12月が待ち遠しいなぁ(にやにや)