『身代わり伯爵の潜入』[清家未森/角川ビーンズ文庫]

 庶民派少女ミレーユと、おかしな連中たちの繰り広げる王道ラブコメ、第6巻。

 全体的にはまだまだ舞台を整えている巻、という印象。まぁ、彼らの目的を思えば猪突猛進に動くわけにもいかないから、その辺は仕方がないといえば仕方がないか。シアラン側の状況が今まで以上に見えてきたのは良かったです。しかし、改めて思ったけれど、シアラン王家の家系図はややっこしいなぁ……。
 雰囲気的には、前巻でシリアス方面に舵を切ったのかと思いきや、ミレーユその他の本領発揮のおかげかいつもの軽妙なノリも復活し、シリアスありコメディありととても楽しかったです。ミレーユの奮闘(ただし空回り気味)とかいろんな意味でノリノリなフレッドとか男前度急上昇中な第二王子とか、読んでてニヤニヤした。一方で、リヒャルトの肝心なところでのヘタレぐあいには苦笑い。いや、ミレーユが大事なのはわかるんだけど、でも、突っ走りだしたミレーユが途中で止まるわけがないといい加減に学習しててもいいんじゃないかと(何気に酷い言い草)

 さて、今回はまだまだ序盤戦開始前という感じでしたが、さすがに次の巻ではもう少し状況が動くだろうし。一体どんな展開になっていくのか、楽しみなところです。

作品名 : 身代わり伯爵の潜入
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著者名 : 清家未森
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN  : 978-4-04-452406-7
発行日 : 2008/10/1

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