庶民派少女ミレーユと、おかしな連中たちの繰り広げる王道ラブコメ、第5巻。この巻から第2部「シアラン編」に突入。
今までの話でいろいろとほのめかされていたシアラン公国関係の伏線がいよいよ表面に。必然的に展開はちょっとシリアスなことになってましたが、雪像とかフレッドがキレた様子とかミレーユ脱走がらみとか、その他にもいろいろ笑える部分は相変わらず笑えます。
で、展開が展開なので無自覚(?)馬鹿ップルなミレーユとリヒャルトの関係も変化を余儀なくされてしまいましたが、これでもかというぐらいに伝わってくるお互いにお互いを想っている様子やようやく自覚し始めたミレーユの暴走など、今までとはまたちょっと違う楽しみがあって堪能いたしました。……どう考えてもライバル的存在にはなれそうもないヴィンフリート王子が、若干気の毒ではありますが。あと、フレッドとセシリア王女の仲も進展すると嬉しいんだけどなぁとちょっとヤキモキ。
さて、庶民派少女の奮闘は実を結ぶのか、王子様はあとがきどおり男らしく格好良く活躍できるのか、「復讐してやる」宣言が地味に恐ろしいお兄ちゃんは次はどんな手を考えているのかetcetc。いろいろ気になる要素が盛りだくさんな状況で、シアランに舞台を移した物語がこの先どんなふうに転がっていくのか、10月予定の6巻が楽しみなところです。
作品名 : 身代わり伯爵の脱走
著者名 : 清家未森
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN : 978-4-04-452405-0
発行日 : 2008/7/1