とある王国で勃発した内乱を巡る戦記ファンタジー、第2巻。
誰もが思うことでしょうが、王国軍側主人公のアレスって、一人無双かBASARAかって状態だよなぁと、しみじみ思いました。
それはさておき、1巻では描写が少なめだった反乱軍改め解放軍側の描写が増量となったことも手伝ってか、この巻は片方の陣営に肩入れするということはなく読みました。まぁ、どちらの陣営も大義名分は持ってるしねぇ……。
内容・展開的には、王国側では戦場においては無敵なアレスが周囲の妬みや思惑から足を引っ張られたり、解放軍側は首魁・ジェレイドの冷徹な智謀の展開や「風の戦乙女」ミーアの活躍、そして両陣営の激突などなど、いかにも王道という感じで普通に面白かったです。それぞれ不安材料も抱えている彼らの戦いがこの先どういう風に推移していくのか、クラウディア王女の婚約やアレスの「助言者」パンドラの存在がこの先どういう風に物語に影響してくるのか、先の展開が気になるところ。
次の巻は雑誌掲載分の、ジェレイドたちが決起した当初の話になるようです。今回の話でも経緯はさらりと語られていましたが、さてその詳細はどんなものだったのか。発売が楽しみです。
作品名 : 火の国、風の国物語2 風焔相撃
著者名 : 師走トオル
出版社 : 富士見ファンタジア文庫(富士見書房)
ISBN : 978-4-8291-3253-1
発行日 : 2008/1/19