悪人・善人・悪党・官憲・奇人・変人・人外などなど、一癖も二癖もある連中が入り乱れて繰り広げる馬鹿騒ぎを描いた「バッカーノ!」第9弾後半戦。
読んだ人全員が同じこと考えるんじゃないかと思いますが、余章の衝撃が凄まじかった。だって、まさか今になってあの人が出てくるとは思わないし……普通に考えれば、「水」でどうこうしたってことなのかなぁ。まぁとりあえず、一体いつの時点で成田氏がこの設定を考えついたのかが気になるところです。
それはさておき、今回の話の内容としては……成田氏自身がなかがきで語っておられるページ数削減のあおりか、正直、面白いとは思うけどいまひとつノリきらないというか。結局このエピソードそのものは、次巻以降への伏線準備・今後へ向けての登場人物紹介編という色合いが強く出すぎてしまった印象。シリーズ総合で面白いのは勿論良いことですが、そろそろ初期三作のようにエピソード個別で区切りのついている話も読みたいかもしれない。読者の贅沢だと分かっていますが。
ともあれ、ラストになって思わぬ人物が登場し、より混沌としてきたこの状況で、一体この先どんな「馬鹿騒ぎ」が起きるのか。続刊の発売が非常に楽しみです。
今回の話にあんまり関係のない疑問。ナイルと殴り合いしてしかも勝ったのって、やっぱりシズちゃんなんだろうか……。
作品名 : バッカーノ!2002【B Side】 Blood Sabbath
著者名 : 成田良悟
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN : 978-4-8402-4069-7
発行日 : 2007/11