テロの脅威に晒されている都市・ミリオポリスの治安維持部隊MPB遊撃小隊に所属する3人の少女たちの物語、第3巻。
てっきり角川の公式サイトで使われている内容で一冊使ってると思っていたのですが、実際は1巻と同じく短編集形式でした。収録作の内容としては、プリンチップ社もあまり本腰を入れていない比較的小さな事件(この場合の比較対象は2巻なので、大抵の事件が小さくなるという話もある)を扱うことで、3人の少女それぞれを掘り下げていく方向なのかなーと思いきや。そこから一歩踏み込み特甲児童という存在そのものに焦点を当ててきたのが意外といえば意外でした。
そして、表面上は直接的な関係がないと思えた事件が、最終話であの場所に、あの2人に収束していくあたり、なんだか胸が痛くなりました。もちろん、彼が怪しいのは最初から分かってたけど……最後の呟きがまた切ない……。
「スプライト」組とのリンクは今回は控えめでしたが、4巻ではもしかしたら共同戦線を張ることになったりするのかな。今回発覚した事実あるいは推論はどのように絡んでくるのか。決定的に敵として相対することになるのだろう彼との再会はあるのか。4巻が普通に楽しみです。
作品名 : オイレンシュピーゲル参 Blue Murder
著者名 : 冲方丁
出版社 : 角川スニーカー文庫(角川書店)
ISBN : 978-4-04-472905-9
発行日 : 2007/11/1