新書館をメインに作品を発表されている前田栄さん、新シリーズはとある事情から軟禁状態に置かれている少年と、「悪魔の本」に魂を囚われた幽霊もどきの錬金術師が、400年前のプラハの町で錬金術師が死んだ「その日」を繰り返し、失われた本のページを捜し求めることになる……というストーリィ。
1巻目ということを考えれば、まぁ普通に面白かったという感じ。普通なら錬金術師が少年を振り回す、という話になりそうなものですが、少年ことパウロが年齢からすれば不相応なまでにしっかしてるというかなんというかな性格なのに対し、錬金術師ことフィラレテスは根が善人のため、完全に立場が逆転してるのが面白かったです。「その日」を繰り返すうち、この2人が互いにどういう影響を及ぼしていくのかいかないのか、そして「その日」で因縁が出来たホムンクルスの少女との関係がどうなっていくのか、続きが楽しみなところ。
あと、書き下ろし短編で登場したパウロの屋敷の面々もこの先本筋に絡んでくると嬉しいなーと思ったり思わなかったり。
作品名 : THE DAY Waltz 1
著者名 : 前田栄
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN : 978-4-40354-118-6
発行日 : 2007/7/1