『バッカーノ! 1705 The Ironic Light Orchestra』[成田良悟/電撃文庫]

 悪人・善人・悪党・官憲・奇人・変人・人外などなど、一癖も二癖もある連中が入り乱れて繰り広げる馬鹿騒ぎを描いた「バッカーノ!」第8弾。今回は現在メインの時代となっている1930年代からざっと230年ばかり過去に遡った、ヒューイとエルマーが出会ったころの物語。

 最近話が広がりすぎというか登場人物多過ぎで錯綜状態に歯止めが利かなくなっていた感があったのですが、今回は登場人物たちも必要最小限に押さえられて、上手い具合に最後までまとまっていた感じ。途中で「えーとこの人はこの勢力でこの人は……?」とか混乱することもなく、最後まで話そのものを楽しめました。
 内容的には、ヒューイよりもやはりエルマーの異常性のほうに目がいきました(つーか、この時点でのヒューイはまだ理解しやすいしね……) しかし、エルマーがこういう人であったからこそ彼らの友情は成立しえたんだろうなぁ。

 最後に、エルマーとモニカを「保留」と評価するヒューイですが、この先どういう交流を経て「親友」にまで評価が変わっていくのか、気になるところ。あと、不死を得る前の錬金術師の面々も登場していますが、ここから彼らがどういう経緯で同じ船に乗り込んでいくことになるのか。そして1930年代では登場していない人々の行く末はどうなるのか。その辺りが明らかになることも楽しみにしておきます。

作品名 : バッカーノ! 1705 The Ironic Light Orchestra
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著者名 : 成田良悟
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN  : 978-4-8402-3910-3
発行日 : 2007/7

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