『カナスピカ』[秋田禎信/講談社]

 「魔術士オーフェン」や「エンジェル・ハウリング」など、富士見ファンタジア文庫などで一風変わった作品を発表されていた作者氏の新作。

 どこにでもいる普通の少女・加奈と異星人によって作られた地表観測衛星・カナスピカの、偶然の出会いから始まった交流と成長、そして別れを描いた、ある意味直球勝負な青春小説。特徴的な文体はやや抑え目ですんなり読めましたが、それでも随所で「ああ、らしい表現だなぁ」と思うところもあり。
 一言で感想を言うなら、爽やかででも少し切ない、良い話でした。
 全体的には加奈とカナスピカのずれた会話ややりとりなどが楽しいものの、割と地味というか真っ当すぎるほど真っ当な話だった印象。ですが、終盤の流れがなんかいいなーという感じ。上手く表現できないんですが、手紙とかお母さんとの会話とか、好きだなぁと思います。あと、プロローグとエピローグもお気に入りです。

作品名 : カナスピカ
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著者名 : 秋田禎信
出版社 : 講談社
ISBN  : 978-4-06-213857-4 → 978-4-06-276681-4
発行日 : 2007/6/11 → 2010/8/12(文庫化)

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