硬派な架空歴史ファンタジーを得意とされる花田氏の新シリーズ。ちなみに全5巻予定。
龍族、鳥族、犬族、猫族、そして人族。5つの種族の中でもっとも下位におかれ、大陸の片隅に追いやられた人族たち。彼らの暮らす街に、「一生で一度で会えたら幸運」とまで言われる龍族が来訪してきたところから物語は始まります。
特定の人物ではなく舞台となる街に焦点を当て、そこで暮らす人々の姿や抱える問題を描くことで、相対的に世界設定等を印象づけているというか、まぁそんな印象でした。
途中までは連作短編形式で構成されているのですが、どの話も登場人物にそれぞれの味があって楽しめました。で、最後までこの形式で行くのかと思っていたら、終盤はその中から一人の人物が大きな流れに巻き込まれていく展開に。次巻以降は彼を中心人物に据えた長編になるのかな。この先、彼がどんな冒険を経てこの世界の謎に迫っていくのか、楽しみなところです。
作品名 : 龍族 創世の契約1
著者名 : 花田一三六
出版社 : C☆NOVELS FANTASIA(中央公論新社)
ISBN : 978-4-12-500983-4
発行日 : 2007/5