神代より続く呪縛に捕らわれ続ける「時置師」の一族。その宿業に立ち向かおうとする、存在しないはずの11人目の「時置師」である少女とその〈対〉の少年の物語、第2巻。
既に各所で言われてることですが、これで完結編と銘打ってるのは酷い。でも、某コバルトの某「アルス」シリーズ(ちっとも伏せてない)みたいに極悪な場面で以下続刊状態になってないだけまだマシな気がしなくもない(←他社への恨みをわざわざ呟くなそこ) 嗚呼、巻を重ねれば順当に面白くなっていきそうなシリーズだったのになぁ。
……嘆いているばかりでもあれなので、内容の感想。今回で一区切りつけなくてはいけなかったからか、いろいろと設定が明らかに。その辺の設定がなかなか創りこまれていて面白かったですし、主役カップルの眞名と誠一が過去に飛ばされ、そこで遭遇したある「時置師」と〈対〉の物語はベタながらも楽しめました。それにしても、前回に引き続き過去編、その終幕で描かれた光と影は、なんともいえない苦さが……。
登場人物に関しては、現代組は前回から登場しているカップルのみならず、初登場となる「時置師」たちも見てるこっちが恥ずかしくなるぐらいらぶらぶでもうご馳走様という感じでした。しかし、それなりに困難はありつつも幸せに過ごせている彼らの姿があるからこそ、彼女の慟哭が余計にやるせなく感じられました。
さて。欄月と〈対〉の間に起きた出来事など詳細は明かされずに終わった謎もありますし、なにより眞名と誠一の役割なども気になりますし。何とか続きが読めればいいなと思います。