架空歴史ファンタジー「流血女神伝」、最終章ユリ・スカナ編第6巻。ドーンが凶刃に倒れ生死の境を彷徨う中、エティカヤとユリ・スカナはそれぞれの思惑で行動をはじめる。一方、ユリ・スカナ王宮に軟禁されているカリエの元には、意外な客人が訪れ……という感じの展開。
いつもながらの最後まで目が離せない展開の中で、特に目を引いたのはやはりルトヴィア関連でした。嗚呼、ドーン……。最後の展開は、それを選んだということなのか。ミュカやグラーシカ、なによりルトヴィアという国家を巻き込んで彼の終焉はどのような形で訪れるのか。若さと希望に満ちていた、以前の彼の姿を知っているだけに、考えるだけでも辛いです……。他国の君主に関しては、バルアンは上手く表現できないのですが、纏う雰囲気が深い部分で変わったなぁとしみじみ思いました。「赤き死の王」の本領発揮となるのはここから、なのでしょうね。ネフィシカは……この人に関しては、いろんな意味でもうどう言ったらいいのか分かりません。前巻で抱いた印象をより強くしました、とだけ言っておきます(溜息)
一方、カリエを取り巻く状況にもわずかながら動きが。まだ好転したとは言いがたいですが、これまでの彼女の人生を知っているからカリエならきっと大丈夫だと信じられますね。あと、エドは完全に親バカになってました(笑)
さて、長く続いたこの大河ファンタジーもあとがきによれば残り2巻(ちなみに今秋完結予定) 登場人物それぞれにどのような結末が訪れるのか、楽しみにしています。