『パラケルススの娘 6 薔薇と小鳥たちの輪舞曲』[五代ゆう/MF文庫J]

 「パラケルススの娘」第6巻。今回はいつもの面々のある一日、そしてその裏側で起こっていた事件を扱った連作短編集でした。

 5巻で終幕に向けて大きく動きだした感のあるシリーズですが、今回は小休止といったところでしょうか。とりあえず1話目、ジンジャーとの約束でクリスタル・パレスに出かけることになったはいいけれど、後れを取ってなるものかと美弥子と和音もついてきてしまい、さらには思わぬ騒動に巻き込まれることになる遼太郎を描いた「つむじまがりのメアリふじん」が楽しかったです。しかし、遼太郎の女難については本人の鈍さが原因なので、ある意味自業自得な気がしなくもない(笑)
 他、シシィの初めてのおつかいや懲りないバ(略)の挑戦の話とも絡みつつ、最後に明らかになるある事件の全容は、面白かったけどちょっと駆け足だったような気が。特に「美しき御方」関連はちょっと唐突な印象が……もうちょっと各話に顔を出させるとかして印象を強めておいてくれたほうが、個人的には良かったかも。

作品名 : パラケルススの娘 6 薔薇と小鳥たちの輪舞曲
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著者名 : 五代ゆう
出版社 : MF文庫J(メディアファクトリー)
ISBN  : 978-4-8401-1800-2
発行日 : 2007/3

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