架空歴史ファンタジー「流血女神伝」、最終章ユリ・スカナ編第5巻。あとがきによれば8巻構成確定だそうで……8巻で終わるんだろうか(禁句)
えーとそれはさておき感想。今回はあとがきでも書かれているようにオールキャスト登場で、バンディーカ崩御後にそれぞれの方向に動き出した各国&各登場人物の状況整理といったところ。全体的に容赦の無い描写&展開が目についたのですが、中でも衝撃的だったのはドーン。シリーズ当初の颯爽とした姿はどこへ、と言いたくなる憔悴ぶりが痛々しかった……。おまけに、物凄い勢いで死亡フラグが成立していってるんだものなぁ(泣笑) やはりというべきかミュカも動乱のキーパーソンになりそうな気配だし……エティカヤ(というかバルアン)が本格的に行動を開始したこの先、ルトヴィアがどうなってしまうのか、先が気になるところ。ああそういえば、サラはようやく嫉妬から解放され本来の性格に戻ったようですが、このまま退場できれば幸せになれていいよねーとちょっと思った。無事、退場できれば。
一方、ユリ・スカナ。ネフィシカはやはり底の知れない怖さがありますねぇ。思い込みが強いとはいえ基本的には善意の人だけに、余計に性質が悪いというか。少なくとも為政者としては適任ではないよなぁ、と今回の彼女に関する描写を見てしみじみ。パーヴェイも含むものが確実にありそうですし、分かっていたけどユリ・スカナの先行にも波乱がありそうです。
最後になりますが、カリエ一行。セーディラの側にエドがいると思うから安心できているのも大きいでしょうが、それにしても軟禁状態に置かれても異様に高い順応性を発揮するカリエの姿は、重い物語の中で良い息抜きでした。で、セーディラの確保に向かったサルベーン。コイツにはもう、馬鹿としか言いようがないヤツだな……と哀れみすら感じるようになってきましたよ。ラストは、うーん、微妙。ここで退場というのもありな気がするけど、それは須賀さんにしてはぬるすぎるだろうと(酷) そういうわけで、なんだかんだでもう少し悪あがきしそうな気もするんだよなー。
ともあれ残りも3巻(予定) ここからどのような展開を見せるのか、ますます楽しみ。6巻は4月下旬ということですが、今から待ち遠しいですね。