日本ファンタジーノベル大賞優秀賞及びコバルトノベル大賞受賞者で、各出版社から1作ずつ作品を出してからはギャルゲーのシナリオライターをしていたという、ちょっと変わった経歴の作家さん。久々の小説新作ということで、とりあえず購入。
さすがに物語を作り上げるのは上手いなーというのが読了後の感想。話そのものは、登場人物紹介編もしくは導入編とでもいうべきか。フレイヤの持つ力の詳細などを含めて根幹に連なる設定の多くが伏せられているので、いまひとつ曖昧というか盛り上がりに欠ける印象なのですが(つーか真面目な話、今回収録されてる話って内容はほとんどない気がする)、友人たちと過ごす極普通の日常生活とふとしたときに表に出てくる非日常の雰囲気の描写は良い感じだし、主人公をはじめとする女の子同士の賑やか(&ちょっと妖しげ)なやりとりも普通に面白かったです。
で、あとがき後に用意されていた掌編は次巻以降への伏線なのでしょうか。なかなか異様な雰囲気の漂う話でしたが、これがどのようにフレイヤたちに絡んでくるのか、ちょっと楽しみ。
どうでもいい独り言。ついでというのもなんですが、『青猫の街』も復刊・文庫化してくれませんかねぇGA文庫さん(新潮社は多分やる気ないだろうし)
作品名 : ナハトイェーガー ~菩提樹荘の闇狩姫~
【 amazon 】
著者名 : 涼元悠一
出版社 : GA文庫(ソフトバンククリエイティブ)
ISBN : 978-4-7973-3781-5
発行日 : 2006/12/14