唐代、異民族に嫁いだ文成公主の人生をベースにした物語、9冊目。
今回は翠蘭の侍女で親友でもある朱瓔とサンボータの関係にスポットが当たった話。この二人のカップリングはなんとなく気に入っていたので、思わずニヤリとしてしまいました。話そのものは普通というか。飛びぬけて面白いということはないけれど、安心して読めるというか、そんな感じ。ああそういえば、今回は支配層と被支配層との軋轢から起こった事件ということもあってか、ここ数巻本編でワンパターン化していた敵キャラの微妙さがあまり感じられなかったのは良かったかも。
……それにしても、作中時間があまり進んでないように思えるのは、作者の人が例のあれを書きたくなくて牛歩作戦に出ているのだろうかと思わず邪推。まぁ、遅々としてはいますがそれでも時間が流れてはいるのでいつかは来ると思うんですけどねー。
作品名 : 風の王国 臥虎の森
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著者名 : 毛利志生子
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN : 978-4-08-600835-8
発行日 : 2006/11