人間と「神話的人類」が共存する、「融和宣言都市」ブルームフィールド。憧れの犯罪捜査局に入局したジョエル(人間)のパートナーとなったのは、カート・V・ウェステンラ(ヴァムピール)。 神話的人類に苦手意識を持つジョエルだが人事に文句を言えるはずもなく、一癖ある性格のカートとともに様々な事件の捜査に乗り出すことに。
縞田理理さんの新シリーズは、1920年代アメリカ風異世界を舞台に、人間と「神話的人類」(人外種族)たちの繰り広げる物語。
1巻目ということもあってか、全体的には設定説明や人物紹介といった雰囲気がやや色濃かったような感じ。
なんとなく「ラノン」と似ているような気がしなくもないところもありますが、あちらに比べると神話的人類の存在がオープンになっている分差別や軋轢といった問題も生じてくるわけで。それらの問題と向き合いながら、ジョエルがどのように成長していき、カートとどのように信頼関係を築いていくのか。そして、この巻だけでも思わせぶりに仄めかされているエルモーライという人物の謎など、この先の展開がなかなか楽しみです。
ところで、ヒロインはミリシャだという理解でよろしいのでしょうか。ああ、カートが実は男装の麗人というオチでも面白いかもしれない(←いや、それはきっと夢見すぎだから)
作品名 : モンスターズ・イン・パラダイス 1
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著者名 : 縞田理理
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN : 978-4-403-54109-4
発行日 : 2006/9/1