『鋼殻のレギオスII サイレント・トーク』[雨木シュウスケ/富士見ファンタジア文庫]

 汚染された大地を行き交う自律型移動都市の一つ、学園都市ツェルニで暮らす少年レイフォンと彼を取り巻く人々の交流と成長を描く「鋼殻のレギオス」第2巻。
 前回レイフォンが(ほぼ)最強の実力を見せつけてくれたので「これで彼がそれなりにやる気になったなら、この先対抗試合は楽勝なんじゃ?」と思いきや、やはりチーム戦では一人が強いだけでは駄目なわけで。「強さとは何か」を自問し自身を追い込んでしまうニーナ、最初は掛ける言葉がないとためらっていたけれど、友人に背中を押されて自分なりのアドバイスを送るレイフォン、そして学園都市の進路に潜む汚染獣との死闘を経て彼らが手にしたものは……みたいな展開で、ベタといえばベタなのですがそこはそれ。少年少女の成長モノとしては相変わらず普通に面白い、という感じでした。
 一方、レイフォンを巡ってのラブコメ。今回ニーナは一歩退いていた感じですが(つーか、もしかしてこの人は恋愛対象というより戦友ポジション?)、その分頑張っていたのは文句なしでフェリでしょう。料理の場面とか自分を名前で呼ばせようとするところとか、お約束だなぁと思いつつニヤニヤ。メイシェンはメイシェンで、前巻に引き続きレイフォンを動かすきっかけになるという、地味に重要な役どころを担当中。そして、手紙のみで登場の幼馴染・リーリンも健気でいいなぁと思ったり。……誰かがメインヒロインに確定するまでは、この辺のやり取りも楽しめそう。

作品名 : 鋼殻のレギオスII サイレント・トーク
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著者名 : 雨木シュウスケ
出版社 : 富士見ファンタジア文庫(富士見書房)
ISBN  : 978-4-8291-1827-6
発行日 : 2006/5/20

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