1003購入メモ(その1)。

『サクラダリセット CAT, GHOST and REVOLUTION SUNDAY』[河野裕/角川スニーカー文庫]【amazonbooplebk1
『THE DAY Waltz 3』[前田栄/新書館ウィングス文庫]【amazonbooplebk1
『微睡みのセフィロト』[冲方丁/ハヤカワ文庫JA]【amazonbooplebk1
『天冥の標2 救世群』[小川一水/ハヤカワ文庫JA]【amazonbooplebk1
『浪華疾風伝あかね 弐 夢のあと』[築山桂/ポプラ文庫ピュアフル]【amazonbooplebk1
『猫は知っていた』[仁木悦子/ポプラ文庫ピュアフル]【amazonbooplebk1
『青春探偵団』[山田風太郎/ポプラ文庫ピュアフル]【amazonbooplebk1
『オタクホスト桜木玲音の奇跡』[佐々木禎子/幻狼FANTASIA NOVELS]【amazonbooplebk1
『竹島御免状』[荒山徹/角川書店]【amazonbooplebk1

『痕跡師の憂鬱』[田代裕彦/幻狼FANTASIA NOVELS]

 今は亡き富士ミスを中心に作品を発表されていた作者さん、久しぶりの新作はミステリ仕立てのファンタジーというかファンタジー設定(魔法あり)でのミステリというか。

 内容を乱暴にまとめてしまうと、魔術師養成学校を抱える都市で起きた事件を、一般人ながらその頭脳で解き明かしていく「痕跡師」の物語、となるでしょうか。「痕跡師」のクロムウェル先生は立ち位置的に(作者さんの過去作でいえば)骸惚先生っぽいなぁと思ったり。で、太一君というか物語を引っ張っていく役が学生捜査官レウになるかなー。
 魔法ありの世界とはいえ、作中では特に戦闘が起きたりするでもなく地道に捜査……はあまりしてないか。えーととにかく事件を解決するという展開なので、派手さには欠けるものの話自体はまぁ普通に面白かった、という感じ。登場するキャラもわりと良い感じで、雰囲気的にも(殺人事件が起きてるわりには)それほど重くはならず学園生活の描写なども挟んでほどほどに明るい印象だったりで、わりとさっくり読みやすかったし。真面目にミステリとして考えるとアンフェアまでは言わないけどちょっと「……うーん?」とならなくもないけど、まぁそーいうノリの話だから、と割り切ってしまえばこれはこれで(適当)

 事件は解決したものの、こういう話ならいくらでも続きが書けるし、このままシリーズ化するのかな? シリーズが続くなら、ラブコメ要素も増量するといいなぁ、とこっそり期待してみる。

作品名 : 痕跡師の憂鬱
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著者名 : 田代裕彦
出版社 : 幻狼FANTAS
ISBN  : 978-4-344-81899-6
発行日 : 2010/2/26

『クシエルの使徒 (2)白鳥の女王』[ジャクリーン・ケアリー/ハヤカワ文庫FT]

 中世ヨーロッパ風異世界を舞台に諜報員として仕込まれた女性が陰謀の狭間で活躍するファンタジー小説、「クシエルの使徒」第2巻。

 1巻は宮廷陰謀劇が主軸だったのでわりとまったり進行でしたが、2巻は事態急転の巻でした。そういえば、第一部「矢」もこういう構成だったな……とは思うものの、客観的に状況を比べると格段に悪くなっているという。つーか1巻でもその傾向はあったけど、それに輪をかけてもう、ジョスランさんちょっとそこに正座しなさい、と言いたくなった。いや、彼の気持ちも分かるし格好良いところもあったにはあったんですが、それにしたってね……(以下、延々と続く)
 一方、フェードルの前に堂々と姿を現したメリザンドは相変わらずの女王様っぷり。フェードルとメリザンド、この二人のSM百合……もとい、血が呼び合うのか互いへの執着が切り捨てられない関係が、最終的にどういう具合に決着するのかも気になります。

 ともあれ、またもや苦難に襲われたフェードル。それでも一縷の希望を胸に必死に生き延び、手に入れた情報をなんとか故国へ届けようと奮闘するものの……最後は、「うわー……!」としか言いようがない状態に。果たしてフェードルはこの難局を切り抜け、メリザンドに一矢報いることができるのか。そして株が下がりまくったジョスランの巻き返しはあるのか。4月予定の3巻が待ち遠しい限りです。

作品名 : クシエルの使徒 (2)白鳥の女王
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著者名 : ジャクリーン・ケアリー
出版社 : ハヤカワ文庫FT(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-020510-2
発行日 : 2010/2/28