『金星特急2』[嬉野君/新書館ウィングス文庫]

 謎の美女・金星の「婿候補」として、一寸先は闇どころか何が起きるか分からない列車に乗り込み、なりゆきから一緒に行動することになった3人組の冒険、第2巻。

 変わらず謎だらけ、危険と隣り合わせの旅路が続いていますが、そんな旅の中でもなんだかんだと仲良く付き合ってる錆丸・砂鉄・ユースタスのやりとりが楽しくて仕方がなかったです。しかも金星の相手に選ばれるのは(おそらく)一人だけだろうし、それぞれに語られていない部分や謎もある3人ですから、いつまでこのままの関係が続くかどうかはわかりませんが、この先どうなっても大きく崩れないと良いなぁ、と思う。
 お話的には、雑誌掲載分の第3話「祇園精舎に孔雀鳴く」と第4話「月影よ射貫けシャングリラ」の2話+書き下ろしが収録。密林冒険だったり高地踏破だったり、1巻と比べて金星の試練も本格化してきた、というところでしょうか。結構シビアに書くところは書いてあるのが、なんとなく印象的でした。
 書き下ろしは第3話~第4話中、錆丸が聞こえていないところでの砂鉄とユースタスのやりとりなのですが、これが想像以上に破壊力が凄かった。この二人の関係と距離がとてもツボすぎる。しかし、ユースタスは実は……だったら嬉しいなぁ、と1巻の段階で思っていたのですが、今回収録分の書き方とか見るとどうもそう単純なことにはならなさそうな感じ?

 ともあれリミット前になんとか特急に再乗車して、次の目的地は何処なのか。そして、金星特急に途中乗車(!)してきたユースタスの旧知らしい「殿下」は何者なのか。その他にも細々と謎は増量されていますし、恋愛成分も増量されるらしい次巻ではどんな展開が待っているのか。とても楽しみです。

作品名 : 金星特急2
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著者名 : 嬉野君
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN  : 978-4-403-54153-7
発行日 : 2010/6/10

『ミストスピリット―霧のうつし身 (3)秘められし言葉』[ブランドン・サンダースン/ハヤカワ文庫FT]

 『Mistborn: The Well of Ascension』、邦訳版第3巻&完結編。いやはや、第一部のそれにも劣らぬ、怒涛の展開でした。「サンダースンの雪崩」恐るべし。

 内容についての感想は、もう何を言ってもネタばれにしかならないような気がするんですが……とりあえず、第二部序盤から引っ張ってきた、「誰」が敵のカンドラに入れ替わられたのか、という謎の解答は「そうか、言われてみればその可能性も十分あったなぁ……!」と思いました。まだまだ読みが浅いです。まぁなんにしても、わんこかわいいよわんこ(お約束)
 そのあとは、ルサデルでの戦いが……これまで一緒に戦ってきた仲間が斃れていくのが辛かったなぁ。つーか、海外の作家さんって物語展開で結構さっくりキャラ切り捨てるのか……?(本棚に並んでる「氷と炎の歌」とか「クシエル」を眺めつつ)
 で、その山を乗り切ってこれでこの巻の波乱は終了かと油断していたら、「即位の泉」でのアレ。「いやー、それはヴィンが辛すぎるからやめてー!」と叫びたくなったですよ。しかし無情にも話は進み、「あああまた辛い場面が……!」と思っていたら、またどんでん返しが待っていて。うーむ、完全に作者の手の上で転がされてるなぁ。とにかく、この先ヴィンとエレンドが得た力をどのように用いていくのか。諸々の出来事に打ちのめされたセイズドは立ち直れるのか。そして、変貌してしまったマーシュの動向は……などなど、いろいろと気になることが多すぎる。

 物語全体を見ても、王都ルサデルを巡る攻防はひとまず落着したものの新たな脅威が世に解き放たれてしまったという、思いっきり第三部へ続く!な幕引きのため、続きが気になって仕方がない。最終章となる「ミストクローク―霧の羽衣」(原題:『Mistborn: The Hero of Ages』)は9月翻訳開始ということですが、待ち遠しい……!

作品名 : ミストスピリット―霧のうつし身 (3)秘められし言葉
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著者名 : ブランドン・サンダースン
出版社 : ハヤカワ文庫FT(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-020515-7
発行日 : 2010/6/10

1006購入メモ(その1)。

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京都便という名の(強制)レンタル第二弾覚書。

deltazuluさんとリッパーさんが似鳥鶏の講演会参加のためにはるばる東京からいらっしゃったのに合わせて、オフ会が開催されました。
私は当日仕事だったので途中参加だったのですが、富士ミス追悼っぽい話とかあれやこれやとか、私は(オタク道的に)まだまだ精進が足りない!と思わされつついろいろお話できて楽しかったです。リアルではなかなかこういう話する機会がないからねー。
とりあえず、『破小路ねるのと堕天列車事件』はなんだか読んでみないといけないような気がした。

で、「せっかくでるたさんがいらっしゃるんだから京都便(=強制レンタル本)を渡さねばなるまい!」という使命感のもと、適当に本を詰め合わせて持っていった。
一応事前に希望を聞いて、単発で読める上に続きマダー率が低そうなのを選んだ(つもり)、とても優しい詰め合わせです。
……物理的な重さはまぁ気にしない方向で。いやでもそんなに重くなかったと思うよ?(かわいらしく小首を傾げてみる)
以下、何を貸したか忘れないためのメモ書き(+一言)
“京都便という名の(強制)レンタル第二弾覚書。” の続きを読む