『あかいくらやみ』観劇。

ふと気がつけば随分久しぶりのブログ更新です。……前回2月とかサボり過ぎにも程がありますな我ながら。

反省はさておき。
山田風太郎の著作『魔群の通過』を舞台化した「あかいくらやみ」、大阪公演初日を観劇して来ました。以下、演劇とか詳しくない人間の適当感想です。
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『(仮)花嫁のやんごとなき事情~離婚できずに新婚旅行!?~』[夕鷺かのう/ビーズログ文庫]

 かつて恩を受けた瓜二つの姫君シレイネの身代わりとして敵国に輿入れすることになったフェルディアが目指せ円満離婚!と策略家として名高い夫(仮)クロウ相手に奮闘する(?)ラブコメ劇第3巻。

 今回は、国内を騒がせる呪毒の材料である夕輝晶の産地をフェルとクロウが訪問することに。少数民族イル族の人々が生活を営む地であるそこは、クロウにとって因縁の地で……ということで、クロウの過去話を交えつつ、夕輝晶を密輸している犯人を探す展開でした。
 なんというか、ラスボスというか最大の難関はシレイネ姫なんだろうけど、クロウの父上・母上もかなりのアレさ加減だよな、と遠い目に。一方、初登場のクロウの兄にして皇太子のジルフォード。一見ただの変態さんかと思いきや、皇太子としては間違いなく有能。敵に回れば恐ろしい事この上ないだろう彼は、いい位置づけのキャラだなぁと思いました。
 ラブ方面では、クロウとフェルの関係がじわりと進展。フェルもとうとう……だけど、身分の差もあるし本当の花嫁は「シレイネ」なんだし、すんなりまとまりはしないんだろうなぁ。この先彼らの関係がどうなっていくのか、気になるところです。あと、前巻に引き続いて示されたフェルの特殊能力(?)についてはこのまま次巻で素直に明かされることになるのかもう一波乱あるのか、こちらも注目してます。

 さて、次は姿を消した「あのお方」が直接乗り込んでくるのか、それともまた別方面から攻めてくるのか。4巻発売が待ち遠しい限りです。

作品名 : (仮)花嫁のやんごとなき事情~離婚できずに新婚旅行!?~
    【 amazon , BOOKWALKER , 紀伊国屋
著者名 : 夕鷺かのう
出版社 : ビーズログ文庫(エンターブレイン)
ISBN  : 978-4-04-728724-2
発行日 : 2013/2/15

『天冥の標3~6』[小川一水/ハヤカワ文庫JA]

 のちに冥王斑と命名される謎の疫病のパンデミックを発端に、21世紀の地球から29世紀の植民星メニー・メニー・シープに至るまでの、人類その他生命体の歩みを綴る壮大な物語。

 5巻までは、1巻に繋がる流れやキーワードが出てきつつも各巻アプローチの異なる作品であったことからそれぞれ独立して読めなくもないかなという雰囲気だったのが、6巻でいよいよ全ての流れが収束して1巻に至る大きな流れになった、という感じ。
 どの巻もそれぞれ見どころはありますが、やはり一大転機となる6巻がすさまじかった。
 三分冊となった6巻で描かれた一般社会と「救世群」の拗れに拗れた関係にカルミアンたちの超技術が加わったことではじまった悲劇がなんともはや。でも、救世群(というかミヒル)は暴走しすぎとはいえ、これまで彼ら彼女らが受けてきた迫害の歴史もあるわけで……副題ともなっている「宿怨」という言葉が重くのしかかって、ここに至るまでの数百年に打つ手はなかったのかとどうしても思ってしまう。終盤、淡々と描かれる人類社会崩壊の光景には言葉もありませんでした……。
 そんな中、アインとイサリの奇妙な縁と年を経ても変わらぬ絆は救いだったけれど……だからこそ、イサリの密やかで報われぬ想いが切なかったなあ……。

 役者はこれでおおよそ揃って、次の7巻で舞台が整うことになるのでしょうか。1巻に至るまでまだ百年単位で時間が必要なはずですが、それにしては同一人物としか思えないイサリやミヒルといった存在が気になる。カルミアンも救世群と離れなくちゃだし……。空白の時間になにが起きるのか、今から楽しみで楽しみで仕方ありません。

作品名 : 天冥の標VI 宿怨 PART3
    【 amazon , BOOKWALKER , 紀伊国屋
著者名 : 小川一水
出版社 : ハヤカワ文庫JA(早川書房)
ISBN  : 978-4-15-031094-3
発行日 : 2013/1/25

『金星特急7』[嬉野君/新書館ウィングス文庫]

 謎の美女・金星の「婿候補」として、一寸先は闇どころか何が起きるか分からない列車に乗り込み、なりゆきから一緒に行動することになった3人組と彼らと縁付いた人々の冒険、第7巻&完結。

 錆丸と金星。女神に恋をし、彼女のために過酷な旅をくぐり抜け成長した少年と、少年に恋をし、かつて聞いた彼の望みを叶えるために化け物となった女神と。世界を巻き込んだふたりの恋物語の終演。完全なハッピーエンドとはならなかったけれど、ちゃんとまとめたなーという印象でした。
 その他のキャラについては、砂鉄とユースタスの関係は落ち着くところに落ち着いてよかったよかった、とか。月氏の面々もそれなりに変わったり変わらなかったりしながら楽しそうにやってるみたいだな、とか。一番わりを喰った感じの無名は、うん、幸せになってね……としか。

 ちょこちょこ描写・説明不足に感じたところ等もありましたが、おおむね満足な最終巻でした。あとはもう一冊番外編が出るようなので、どんな話が読めるか楽しみにしておきます。

作品名 : 金星特急7
    【 amazon
著者名 : 嬉野君
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN  : 978-4-403-54186-5
発行日 : 2012/12/8

2013年・年始の挨拶。

新年明けてすでに5日になってますが、おめでとうございます。
旧年中は「空想堂」をご贔屓にしていただきまして、ありがとうございました。
昨年も結局は超まったりペースでの更新になってましたが、そんなサイトでも足を運んでくださるかたがいらっしゃるのはありがたいです。
2013年も、のんびりまったり、細く長くを目標にやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。
……そして、いい加減に書きかけの金星最終巻の感想ぐらいは書き上げよう。