最近なかなかリアル書店に行けてなかったから気がついてなかったけど、『泣き虫弱虫諸葛孔明』第2部、現在発売中の号で完結してたみたいですね。
……と、いうことは、やはり上手くいけば年末には2巻発売かなー(喜)
『BLACK BLOOD BROTHERS 6 -ブラック・ブラッド・ブラザーズ 九牙集結-』[あざの耕平/富士見ファンタジア文庫]
吸血鬼と人間の共存地帯『特区』を舞台にした吸血鬼と人間たちの物語、「BBB」シリーズ長編第6巻。
ミミコがカンパニーをクビになってから半年後。フリーの調停屋となった彼女は、望月兄弟と共に苦労しつつも充実した日々を過ごしていた。しかし、その平穏も時代の移り変わりの前に脆くも崩れ去っていく、とそんな展開。笑える場面もあるんですが、それでも随分シリアスになってきた印象です。
中でも衝撃だったのは、やはりコタロウが覚醒し始めていることでしたかね。1巻の頃からいつかはそうなることが予告されていたとはいえ、それでも実際にその時が迫ってみると……。ジローもミミコも、勿論コタロウもそれぞれ魅力があって個別でも好きなのですが、やっぱりこの3人は3人揃ってこそという認識がいつの間にか出来上がってしまってますからねぇ。今回はミミコの嘆願を受け入れる形で「賢者」が猶予を与えてくれましたが、最終的な運命までは変わらないだろうし。その時に、ミミコとジローがそれぞれの想いにどのような結論を導いているのか……それが楽しみなことも確かです。
それから、「九牙集結」のサブタイトルが示すとおり、『九龍の血統』の兄弟姉妹全員そろい踏み。全体的には仲良さそうで何よりってところですか(笑) それにしても、最後に正体が明らかになった一人はさすがに意表をつかれました。まさか、そのパターンがあるとは思ってなかったものなぁ……。
果たしてこのまま、『九龍の血統』の宿願である九龍王の復活が成されるのか。特区の住人たちは今回の事態にどのように対処していくのか。そして、セイやジローとの戦いを経て少しだけ虚無から脱したゼルマンの行動、今回新たに仄めかされた謎。どれもこれも気になるのが現状で、次巻がとても待ち遠しいです。
……それにしても、こんな場面で切るなんてあなたは鬼ですかあざのさん!(←読了後の素直な悲鳴)
『三国志 第四巻』[宮城谷昌光/文藝春秋]
文藝春秋で連載中の宮城谷版三国志、単行本第2期発売開始。せっかく買ったので、需要を気にせず簡単な感想。
第4巻は孫堅の横死から曹操の天子奉戴直前辺りまで。さすがにこの辺りになると、連載開始初期のように「……これ誰? つーか、そもそもいつから話スタートしてるんですか宮城谷先生」と思うことももはやなし。そのため、ほとんど無知に近い時代のあれこれを学びながら楽しむという読み方は出来なくなりましたが、故事成語を交えての進行や知ってるつもりで意外と知らない群雄たちの側面を掘り下げて書かれていたりと、やっぱり勉強になる三国志ではあります。
また、正史ベースなので演義系だと影の薄い人物が魅力的な人物になっていることも(今回の話の範囲だと張超とか楊奉とか。先の巻からも入れるなら鮑信とかも) しかし、魅力的になったからこそその最期や凋落振りが哀しくなってしまうというパターンもありますが……。皇甫嵩と朱儁は黄巾時の英傑ぶりは何処へ、といった感じだったしなぁ。
他、有名どころの描写も一味違っていたりするのが地味に楽しい。特に、裏切り者の代名詞ともいえる呂布を、ある意味で忠義の士として描いているのが新鮮でした。ああそれから、賈クの描写が割と個人的イメージに近いのがなんとなく嬉しかったり。
さて、次巻はどこまで進むのか。具体的には対袁家戦がどこまで進むのかが気になるところです。
毎年恒例になりつつありますね。
宝島社の『このライトノベルがすごい!2007』、BESTランキング・ウェブアンケートが実施中。
締切は10/9との事ですので、興味のある方は是非ご参加を。
なんとなく宣伝活動。
ふと、「そういえば、完結に際して何かコメント書かれてるだろうか」と思いついてとみなが貴和さんのブログ見にいったら、来月『EDGE』1巻の新装版が講談社文庫から発売されるとの情報が。つい先日コミック版1巻も発売されたりと、地味に講談社にプッシュされてるのでしょうか……。
まぁそれはさておき、作中登場人物約1名がやや万能に過ぎる超能力を持ってる以外は土台のしっかりしたサスペンスモノですので、少女レーベルはちょっと……とか、既刊が手に入りにくいし、と手を伸ばしていなかった未読の方、この機会に是非お試しをー。