期待の作品あれこれ。

新刊関係でそろそろ発売日情報出てないかなーと早稲田出版の公式サイトに行ってみたら、10月下旬に「陸小鳳」3巻発売とのアナウンスが!
……まぁ、1,2巻の時も最初の告知から1ヶ月ぐらい遅れたし今回もその程度の誤差はあるかもしれませんが、今年中にはきっと発売されるだろうと信じてます。

そして、こちらも待ちに待った冲方丁氏の『マルドゥック・ヴェロシティ』全3巻が11月から刊行開始。
他にも密かに注目している作家が何か書いてそうな気配があったり、前から買おうかどうしようかと思ってた本の軽装版が発売される予定だったり、私的に嬉しい情報が一杯。
とりあえずは早く来月がこないかなーと一人でにやけてます。(来月は多分仕事が忙しいという事実は忘れることにします)

新春映画。

来年新春に『墨攻』ロードショーとのことで、期待しつつ観にいこうと目論んでいます。

で、期待していることは間違いないのですが、それはそれとして公式サイトの特報画像を見て微妙に切ない気分になったのは私だけではないと信じたい。
いや、映画はコミック版ベースなのかもしれませんけど、それでももともと原作は小説なんだから「伝説の作品」とかいってくれればいいのになーと、小説版好きな人間として思ってしまったので。
でもまぁやはり、どんな風に映像化されてるのかは楽しみです。うん。

……ところで、映画化に合わせて『泣き虫弱虫諸葛孔明』第2部書籍化で売り出すっていうのはどうですか文藝春秋さん。

『芥子の花 金春屋ゴメス』[西條奈加/新潮社]

 第17回日本ファンタジーノベル大賞・大賞受賞作の続編。

 今回はタイトルからも分かるように芥子の花、つまりはその実から精製される阿片に絡むもので、江戸国から流出したとされる阿片の出所を探ることになった長崎奉行馬込播磨守こと「金春屋ゴメス」と部下たち。探索が進むうち、思いがけず大きな影も浮かび上がり……という展開。
 1作目と同様に、あっさりした文章で読みやすくて面白かったです。しかし、「今より少し先の未来、様々な要因が重なって独立した江戸国(ちなみに前身は老人タウン。地理的には北関東から東北の一部。)」という設定のわりに、登場人物たちが江戸の生活に馴染みすぎというぐらい馴染んでいることもあって、つい普通の時代小説のつもりで読んでしまうのは良いことなのか悪いことなのか。勿論、ふとした拍子に日本を含めた「外国」の影響やらなにやらが見えてくることも多々あるのですけど。
 登場人物は、辰次郎や松吉をはじめ「裏金春」で勤める面々や北町奉行などは1巻と比べてもまた味が出てきてよかったのですが、奈美がやや影が薄くなってたのは残念だったかも。つーか、1巻時点ではてっきり彼女がヒロイン格なんだと思ってたのですけどねぇ。その予想を裏切って、辰次郎が女剣士・朱緒と良い感じになったのにちょっと驚きました。
 それにしても、今回の事件の実行犯どもは駄目駄目としか言いようがないですな。1巻の場合は、「それって本末転倒って言いませんか?」とツッコミ入れたい気分にもなりつつも、彼らなりに主義主張や信念もあったわけで、それに比べると……ねぇ。

 さて、今回の実行犯と結託していたと思しき黒幕の思惑や、その影で見え隠れする諸外国の干渉を乗り越え、江戸国は独立を守ることができるのか。そして辰次郎と朱緒の仲はどうなるのかなど、続刊が普通に楽しみになる幕引きですね。

作品名 : 芥子の花 金春屋ゴメス
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著者名 : 西條奈加
出版社 : 新潮社
ISBN  : 978-4-10-300312-0
発行日 : 2006/9/21

『戦鬼-イクサオニ-』[川口士/富士見ファンタジア文庫]

 富士見ファンタジア大賞・大賞受賞作品。誰でも知ってる昔話、「桃太郎」を下敷きにした和風ファンタジー。

 これまでの富士見の大賞って基本は王道でも読ませる力があるというかぐっと引きつける作品が多かったと思うのですよね(それが好みに合うかどうかは別としても) でも、この作品には個人的にそこまでの魅力が感じられなかったというか。一言で言えば、可もなく不可もなく普通に面白かったといえる作品ではあるのですが、「え、これで大賞?」と思ってしまったのもまた事実であり……うーん、期待値が高かった反動で、結果的にいまひとつな印象になってしまったのが残念。

 続刊は出せなくもなさそうな終わり方ですが、ここで締めておくほうが好みかなー。ああでも川楊を狂言回しに使って、別の民話をモチーフにした話とかなら面白いかも。

作品名 : 戦鬼-イクサオニ-
    【 amazon
著者名 : 川口士
出版社 : 富士見ファンタジア文庫(富士見書房)
ISBN  : 978-4-8291-1865-8
発行日 : 2006/9/20

10月の新刊購入予定。

自分用買い忘れ防止メモ。

・HJ文庫
『はじまりの骨の物語』:五代ゆう

・電撃文庫
『空の鐘の響く惑星(ほし)で 12』:渡瀬草一郎
『バッカーノ!1934 獄中編 Alice In Jails』:成田良悟

・富士見ミステリー文庫
『セカイのスキマ2』:田代裕彦

・GA文庫
『戦塵外史 野を馳せる風のごとく』:花田一三六

・富士見ファンタジア文庫
『煉獄のエスクードARCHIVES だけど綺麗なものは天国に行けない』:貴子潤一郎
『鋼殻のレギオスIV コンフィデンシャル・コール』:雨木シュウスケ

・MF文庫J
『パラケルススの娘 5 騎士団の使者』:五代ゆう

・その他
『水滸伝 1』[北方謙三/集英社文庫]
『神鵰剣侠5 めぐり逢い』[金庸/徳間文庫]
『EDGE』[とみなが貴和/講談社文庫]
『三国志 第五巻』[宮城谷昌光/文藝春秋]
『知っておきたい「食」の世界史』[宮崎正勝/角川ソフィア文庫]

一冊明らかにジャンルが違う本が混じってるのはあまり気にしないでください。
とりあえずここに名前書いたのは購入(ほぼ)確定分。あとは、懐具合と相談しつつその場のノリで。新創刊のB’s-LOG文庫はBLでなければ何冊か買ってみるつもり。
……ところで、暦の上では秋も深まりつつある今日この頃なわけですが、古龍の『陸小鳳伝奇』3巻はまだなんですかね……。