そういや今月発売だったな、というわけで遅ればせながら購入。立場の逆転が続く花地獄&水の墓場での攻防から31話から会津への旅路が始まった40話まで収録されてます。
今回印象的だった場面は、沢庵和尚の静かな「喝」ですね。あれで、文字通り死に物狂いで疾駆していただろう天丸を嘘のように宥めてしまうあたり、この和尚も只者ではないと思わされます。……そんなやや厳粛な気分もその後に登場した明成の正室登場で吹っ飛んでしまったのは、我ながらどうなのだろう。え、原作では正室(+会話で名前が出てきただけの息子)は少なくとも登場はしてませんですよね。側室の印象が強烈過ぎて私が忘れてるだけとかいうオチじゃないよなぁ。
ああそれから具足が討たれる一連の場面はいろんな意味で面白かったです。相手の油断が多分にあったとはいえ、それでもああいう状況に持っていくあたりは特訓の成果が出てるなーと素直に思います。それにもまして、駄目駄目すぎる具足に笑えてしまうわけですが。
それにしても、たとえ出番は少しでも千姫様はやっぱり迫力満点だ……。
作品名 : Y十M -柳生忍法帖- 5 【bk1】
著者名 : 山田風太郎(原作)・せがわまさき
出版社 : 講談社
ISBN : 4-06-361482-4
発行年月 : 2006.10