巨星、堕つ……。
年齢的には大往生と言っていいのかもしれないけれど、それでも一報に触れたときには形容しがたいほどの衝撃を受けました。
私が専門で学んだイスラーム史とは関係のない分野で活躍しておられた先生ですから、(著作は一通り読んでるけれど)恥ずかしながらその研究や業績を深く理解しているとは正直なところ言いがたいのですが、それでも、先生の学問に対する真摯な姿勢には尊敬の念を抱いていました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
『オペラ・エリーゾ 暗き楽園の設計者』[栗原ちひろ/角川ビーンズ文庫]
薬師のカナギと謎の詩人、元暗殺者の少女ミリアンの3人の旅路を綴ったシリーズ第4巻。
今回の話は、事件そのものにも連続性があったことも手伝い、『フィオーレ』と合わせての一場という感じ。主軸になっている「黒いゆりかご」との死闘はなかなか派手で面白かったですが、そちらよりも見え隠れする世界設定と登場人物たちの多種多様な関係に興味を惹かれました。
登場人物的に一番顕著な変化があったのは、やっぱりカナギとミリアンの関係でしょうか。そんなそぶりあったかなーとちょっと首を傾げもしましたが、まぁこれはこれで今後の行方が気になるから良し。一方、「心がない」はずの詩人も、カナギとミリアンと共に旅を続け、さらにはミリアンに「練り直された」ことで確実に変化が。バシュラールの問いに、「ただの人間」と答えた時の彼の想いは、一体どんなものだったのでしょうねぇ。あと、バシュラールには気持ちは分からなくもないけど勝手だなぁ、と思いましたね(苦笑)
状況的に仕方がないとはいえ詩人と離れ離れになったカナギとミリアン。帝都に舞台を移す次巻以降、彼らにどのような運命が待ち受けているのか。続きが楽しみです。
だいぶ調子が戻ってきた。
……まぁ、まだ完全に本調子とは言えないのがアレなんですが。
それでもそれなりには回復しつつはあるので、元気な間に溜めてた感想更新。
ちなみに、来週からは仕事がかなり大変なことになりそうので、中旬過ぎるまでは更新ペースが落ちるかもしれません。(現実逃避で更新しまくる可能性もなくはないですが、そもそも残業続きになりそうなので物理的な時間が取れるかどうかが微妙)
そんなわけで、更新を楽しみにしてくださってる方がいらっしゃったら申し訳ありませんが、あらかじめご了承ください。
『パラケルススの娘 5 騎士団の使者』[五代ゆう/MF文庫J]
「パラケルススの娘」第5巻。前巻あとがきでの言葉どおり、大ネタが動き出した巻でありました。
今回、これまで思わせぶりに仄めかされていたクリスティーナの正体というか立ち位置というかが鮮明に。それに伴い、クリスティーナの争奪戦が開始される、というのがおおまかなあらすじ。普段なら嘲笑と共に相手を切って捨てるだろうクリスティーナの意外な一面が見られたのは素直な驚き。レギーネに縋りついてる場面など、言葉にされている以上の想いがこめられていそうで、読んでるこちらが切なくなってきました。
一方、奮闘していたのは遼太郎。英国に渡ってようやく手に入れた「家族」を守るため、自ら敵の虜囚となったり姿を隠したクリスティーナの元に辿りつき「従僕の義務」を果たす場面など、随所で優しさばかりではなく男の子らしい芯の強さや成長のあとが感じられて格好良かったです。そして、秘めていた才能が改めて示されたことで、遼太郎自身も否応なくクリスティーナの抱える事情に巻き込まれていくことになりそうで。彼の能力の詳細や役割など、気になるところです。
あと、今回敵対することになったカトリックの騎士団、具体的には騎士モーリスとシャルロットもなかなか良いキャラでした。特に、モーリスはありがちな狂信者ではなく意外に話が分かる人で、本当にもう少し違った出会いが出来ていれば……と少し哀しく思ってしまいました。
ラスボスらしき人も登場したことですし、どんな結末を迎えるのかも含め今後の展開がますます楽しみ。
季節の変わり目。
例によって例の如く体調崩してぐだぐだしてます。
せめて頭痛が何とかなってくれれば少しはマシなんだけどなー。
この数日は仕事があまり忙しくないのがせめてもの救いか。
……もっとも、来週からは普通に死ねそうな予定なんですが。
つーか、既に今月から始まってる制度の事務説明が来月に入ってからって何なんでしょうね。
嗚呼、来月ちゃんと締切に書類提出できるかな(遠い目)