江湖に数多存在する剣客侠客の中でも、とりわけ際立った腕を誇る西門吹雪と葉孤城。この二人の果し合いが行われることになり、多くのものがどちらが勝つかの賭けに熱狂する。 一方、様々な思惑が錯綜する中で起こった怪事件から、この決闘には何か裏があると睨んだ陸小鳳は捜査に乗り出すが……。
「陸小鳳」シリーズ第3巻。ちなみにこの話は映画化されてますね。もっともアレはいろいろ脚色等施されて原形とどめてない気がしますが。ああそういえば、別シリーズの「楚留香」が現在台湾でドラマ化進行中だそうで。これはどんな感じになってるのか、ちょっと見てみたいかも……って、話がずれた。
この巻の序盤でまず学んだことは、「このシリーズでは普通では絶対にありえなさそうなことが平気で起こる」でした(大真面目) いやだって、前巻であれだけ大物ぶりを見せてくれたあの人がああもたやすくあんなことになるとは思いませんてば(指示語が多すぎて意味不明) そんなこんなで最初から予想外の出来事に驚かされつつ、普通に主人公らしく活躍している陸小鳳の格好良さに惚れ惚れしたり、微妙に女心が分かってない行動に苦笑したり。それにしても、なんだかんだで彼女との仲は進展したっぽいけど、そうなると即死亡フラグに繋がっていきそうなのが怖いです。彼女が結構好きなだけに、そう思う。一方、色恋沙汰に関しては知らぬ間に随分進展していた西門吹雪。人としての幸せと引き換えに、神がかっていた剣の腕に微妙な曇りが(それえも十分超人的な腕前だとは思いますが) いよいよの決闘直前、多少弱気になっていた西門吹雪にかつての気概を取り戻させる陸小鳳は、友達が多いのも納得できる、懐の大きな漢だと思いました。自信を取り戻した後の西門吹雪も、最後の啖呵に至るまでとにかく素敵で。彼らに朋友と、あるいは好敵手と認められた葉孤城は幸せ者だなぁ、としみじみ。
話の流れとしては、陸小鳳が怪事件の捜査に乗り出すのはこれまでどおり。違うのは、誰に頼まれたわけでもなく調査に乗り出すのと、追う事件がはっきり姿が見えない陰謀、という点か。事態が二転三転する中、思わぬ人が被害にあったり無事な人は誰も彼もが怪しく思えてくるという、突き詰めていけばいくらでも殺伐とした雰囲気になっておかしくないストーリィ展開なのに、不思議なぐらい可笑みや爽快さが味わえるのはこのシリーズの最大の特徴であり、陸小鳳の性格によるところが大きいのでしょうねぇ。まぁ、冷静に見れば細かい疑問点やら唐突に出てきたような気がする展開やらもあったりするんですが、これだけ面白ければそんなのもうどうでもいいやと思えてきますし(適当)
さて、天下を二分する決闘にも決着がついたところで。次の巻はどんな話が読めるのか、4巻以降の早期翻訳も期待してます早稲田出版さん。
12月の新刊購入予定。
以下、各情報サイトを巡回した結果のメモ。他にも気になるタイトルはあるけど、とりあえずほぼ購入確定した分のみ。
・集英社コバルト文庫
『ブラック・ベルベット 緋の眼』:須賀しのぶ
・講談社X文庫ホワイトハート
『銀の騎士 金の狼 新たなる神話へ』:榎田尤利
・光文社カッパノベルス
『アルスラーン戦記12 暗黒神殿』:田中芳樹
・徳間デュアル文庫
『クリスマスのぶたぶた』:矢崎存美
・電撃文庫
『バッカーノ! 1934 娑婆編 Alice In Jails』:成田良悟
・富士見ミステリー文庫
『GOSICK VI -ゴシック・仮面舞踏会の夜-』:桜庭一樹
・GA文庫
『ナハトイェーガー ~菩提樹荘の闇狩姫~』:涼元悠一
・富士見ファンタジア文庫
『BLACK BLOOD BROTHERS (S)3 -ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集-』:あざの耕平
・中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA
『ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語』:定金伸治
『曙光の誓い』:花田一三六
・その他
『黒い季節』[冲方丁/角川書店]
『夜明け前より瑠璃色な ~Brighter than dawning blue~』[天羽沙夜/角川書店]
『評伝シャア・アズナブル 《赤い彗星》の軌跡 (上・下)』[皆川ゆか/講談社]
『水滸伝 3』[北方謙三/集英社文庫]
『あかんべえ(上・下)』[宮部みゆき/新潮文庫]
『アヒルと鴨のコインロッカー』[伊坂幸太郎/創元推理文庫]
『崖の館』[佐々木丸美/創元推理文庫]
『龍の館の秘密』[谷原秋桜子/創元推理文庫]
『アイハヌム 2006』[加藤九祚編著/東海大学出版会]
『クレオパトラの夢』[恩田陸/双葉文庫]
『ぼくのキャノン』[池上永一/文春文庫]
『瑠璃の翼』[山之口洋/文春文庫]
一冊あからさまにジャンルの違う本が以下略。ちなみにこれは、中央アジア方面の歴史・文化等を扱っている研究論文誌。ここ数年、年に一度の密かなお楽しみになってます。正確な発売日はわかりませんが、12月に開催される読書会で展示販売されるそうだし、その頃には本屋に並ぶだろうと。……ああもう、東京行きたいなぁ。
そしてガンダムはあまり詳しくないけどゆかさんだから買う(←ほとんど信者)
……そういえば、まだ別文チェックできてないので分からないんですが、泣き虫弱虫諸葛孔明第2部は今年は無理なんでしょうかねぇ。
第114回簿記検定。
受けてきました。
結果は物凄く微妙で、解答速報でざっと答え合わせしたところ思いっきり合否ライン前後なんですよねぇ。
運がよければ受かってるかもだけど、逆にどこかケアレスミスしてたらその時点で死亡、みたいな。
……大人しく、2月に向けて勉強しておくかな。
明日懲りずに簿記検定受けに行くんですが。
なんでそっちの勉強じゃなくて持ち帰った仕事をやってるんでしょうか私は(溜息)
さすがに今回ばかりは受かったら奇跡だと思うので、正直受けに行くのも面倒くさい……というか、それより仕事片付けるほうが残業減らせて建設的な気がするんですが。
まぁ、払ったお金が勿体無いし、試験問題だけ貰いに行ってきます。
……そんな状況なので、「簿記検定 予想問題」とかそういった類の検索ワードで飛んできてる方、あいにくここには有用な情報はありませんから。(つーか、私が教えて欲しいですマジで。寝る前にヤマはって見直すぐらいはするから)
『北宋風雲伝 13』[滝口琳々/プリンセスコミックス]
三侠五義をベースにした少女マンガ、13巻目。
個人的に最初から微妙だった陛下の株がどん底を通り越してマイナスにまで落ち込んだエピソードが収録。
いやぁ、本誌掲載時には立ち読みということを忘れて床に叩き付けそうになったものですが、改めて読み直すとやっぱりムカつきますねぇ(目が笑ってない)
しかも、ようやく登場した曹妃が普通にいい人なだけに余計にあの駄目男ぶりにムカつくことムカつくこと。
つーか、「今まで与えられた女性しか云々」とかふざけたこと抜かすな。いろいろ行き違いがあって結局上手くはいかなかったにせよ、郭皇后は最初あんたが惚れた女だったろうと。
そんなこんなで陛下にはムカつくことしきりでしたが、本筋の方も大きく動き出しててそちらは普通に面白い。流れ的にもそろそろまとめに入ってる感じですが、結末とかはオリジナルにするのかな。ちょっと楽しみ。
…………あとは、さっさと月華立后を阻止してください。
作品名 : 北宋風雲伝 13 【bk1】
著者名 : 滝口琳々
出版社 : 秋田書店(プリンセスコミックス)
ISBN : 4-253-19388-9
発行年月 : 2006.11