ルネサンス期のイタリアを舞台にした異能者たちの物語、6巻目。
大罪者によって砕かれる銀貨。それが誰になるかは、1巻冒頭の段階でおおよその見当はついていたわけですが……どんな目にあっても無垢なまま進む愚者。そんな相棒への苛立ちや嫉妬を感じる描写はこれまでも描かれてきましたが、遂に決定的な決別が。ここに至るまでの心の変遷、「どちらかが先に死んでいれば……」という言葉、そして何より愚者の炎が彼女を焼いたという事実がひたすらに哀しい。
さて、この巻で第1部完結となったわけですが……このまま第2部が永遠に始まらないなんてことにならないことを祈りつつ。
作品名 : ピルグリム・イェーガー 6 【bk1】
著者名 : 冲方丁(原作)・伊藤真美
出版社 : 少年画報社(YKコミックス)
ISBN : 4-7859-2718-6
発行年月 : 2006.11