年賀状の存在が頭からすっぽり抜け落ちてしまってました。うわ、もう(郵便局自称の)元旦配達締切日だし。
そんなわけで、慌てて適当な画像を組み合わせて即席でデザイン。
知らぬ顔でいろいろ注文出してくる両親や、いまひとつ調子の悪いプリンタにイラつきながらもなんとか完成……と言いたいのですが、途中でハガキが切れて中断。もともと低かったやる気が下がりまくりましたorz
……とはいえ今更投げ出すわけにもいかないし、とにかく明日にはなんとか終わらせようと思います。ああ、面倒くさい。
『曙光の誓い』[花田一三六/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]
架空世界の歴史物語を得意としている(私的認識)花田一三六氏の新作。あらすじ読んだ段階では「黎明」のように革命もしくは独立運動を題材にした話かと思っていたのですが、予想を裏切って昔懐かしの正統派冒険活劇でした。
感想。設定等では特に目新しいものはありませんでしたが、その分堅実な内容でまぁ普通に面白いと言う感じ。味方側は基本的に気持ちのいい好漢揃いだし、共に危機を乗り越えていく中で育まれていく友情や信頼関係というのは大好きなので、楽しんで読みました。主人公が優秀すぎるのに若干引っかかりましたが、これは個人の好みの問題かな。あ、もう一つ好みをいえば、時代背景がもう少し作品世界の空気に影響を与えてくれていたら良かったのになーと思いました。
どうでもいい独り言。場面場面で某天空の城を連想したのは、きっと私だけではないだろうなぁ。
『BLACK BLOOD BROTHERS (S)3 -ブラック・ブラッド・ブラザーズ短編集-』[あざの耕平/富士見ファンタジア文庫]
吸血鬼と人間の共存地帯『特区』を舞台にした吸血鬼と人間たちの物語、「BBB」シリーズ短編集第3巻。
作中時間では、3巻以後5巻以前、まだ特区がかろうじて平和を保っていた頃の兄弟とミミコの日常。内容的にはシリアスありコメディあり、描かれる絆は信頼・友情・愛情などなど各種取り揃えという大盤振る舞いで、文句なく面白かったです。単純に面白かったのは、「強い吸血鬼の育て方」と「宝くじ狂想曲」、それから「ある吸血鬼の僕」でしょうか。とある特撮に影響されたことからスパルタな兄者に泣かされるコタロー(+インターミッションでこちらもしっかり影響受けてるセイ)、宝くじに当たった!とはしゃぐミミコ(オチはそんなことだろうと思ってました)、そしてゼルマンらぶで暴走するサユカに大笑い。一方、シリアスな話ではダントツで「自由と虚ろ」がお気に入り。インターミッションに至るまで、ゼルマンの抱える虚無の根深さを思い知らされた感じ。これだけは、5巻前に読みたかったかも。他、本編では微妙に見せ場が少ないケインの懐深さが素敵な「力と誇り」、何気ない日常のようでいて5巻以降の波乱を暗示している「いつか来る、その日のために」もそれぞれ面白かった。
書き下ろしの過去編「失墜の摩天楼」は、「木曜日」が迫りつつある1929年のNYが舞台。「賢者イブ」の負う宿命の一端が垣間見えるようなエピソードで興味深かったです。あと、随分仲良くなったカーサとジローのコンビには微笑ましいような切ないような複雑な心境になってしまったりもしました。
さて、次巻は本編になるのでしょうか。あの極悪なヒキからどういう風に話が転がっていくのか、できるだけ早く続きが読めることを期待してます。……でも、5巻から6巻の間のミミコの苦難の日々を描いていると思われる短編4巻も気になる。いっそ同時発売とか駄目?
『黒い季節』[冲方丁/角川書店]
長らく絶版になっていた冲方氏のデビュー作が装いも新たに復刊されたので、いそいそと購入。ちなみに、旧版はずっと探していたものの縁なく巡りあえなかったので、これが初読になります。
どんな話かと思っていたら、意外と真っ当な伝奇ファンタジーだったんだなーというのが、一読した感想でした。
極道者の抗争と不可思議な技を行使する術者の暗躍。災いをもたらすという「土の絵」が二つの出来事とそれに関わる人々を結び付けていく、というのがおおまかなストーリィ展開。視点がころころ入れ替わるためか登場人物の心理描写に物足りなさを感じたりもしましたが、それでも随所でいかにも冲方氏らしい演出が見受けられて楽しめました。
ただ、終盤は各登場人物を上手く捌ききれてない感が。今の冲方氏ならもっと丹念に描写するだろうなーと思える場面だったので、それはちょっと残念だったかも。
1作で完結しているといえばしてますが、術者たちの争いは決着したわけではないし、舞台を移しての続編もあってもおかしくなさそう。というわけで、そのうちにでも続編書いてくれないかなぁと、自分で言ってて無理っぽいとは思いつつお祈りしておきます。
1月の新刊購入予定。
以下、各情報サイトを巡回した結果の購入ほぼ確定分メモ。この時期は前倒しがあるので、コバルトなんかは既に入手可能になってますな。
・角川スニーカー文庫
『斬魔大聖デモンベイン ド・マリニーの時計』:古橋秀之
・角川ビーンズ文庫
『スカーレット・クロス 月蝕の復活譚』:瑞山いつき
・集英社コバルト文庫
『鳥籠姫と王樹の実』:桂環
・講談社X文庫ホワイトハート
『楽/園』:三條星亜
・新書館ウィングス文庫
『結晶物語 4』:前田栄
・GA文庫
『シャギードッグ 天使の序章』:七尾あきら
・富士見ファンタジア文庫
『鋼殻のレギオスV エモーショナル・ハウル』:雨木シュウスケ
『ロケットガール3 私と月につきあって』:野尻抱介
・その他
『EDGE2 ~3月の誘拐者~』[とみなが貴和/講談社文庫]
『犯人は秘かに笑う 名作で読む推理小説史』[ミステリー文学資料館/光文社文庫]
『Talkingアスカ』[松村栄子/ピュアフル文庫]
『水滸伝 4』[北方謙三/集英社文庫]
『忘れな草』[佐々木丸美/ブッキング]
先月に比べるとちょっと少なめか。まぁ、富士見の新人さんはじめ気になる作品はそれなりにあるので、増える可能性は大ですが。
……ところで、『泣き虫弱虫~』第2部はまだなんでしょうか。