2007年・年始の挨拶。

明けましておめでとうございます。
旧年中は「空想堂」をご贔屓にしていただきまして、ありがとうございました。
2007年もこれまでと大差なくのんびりマイペースで更新していくと思いますが、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。

さて、今年の目標設定。
去年まで恒例だった就職については一応達成されたことだし、今年は自己投資に力を注ごうかと。3年は今のところで勤める気でいるんですけど、そのうち転職を考えた時に困らないようにしたいな、と(←既卒時の就職活動でさんざん苦労したため、それなりに慎重にはなってる) まずは、日商簿記2級合格目指して頑張ります。

ちなみに今回の年越し本は、『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦/角川書店)になりました。後輩の「黒髪の乙女」に一目惚れした「先輩」が、彼女の行く先行く先に「偶然通りかかって」彼女の印象に残ろうと四苦八苦するうちに思わぬ騒動に巻き込まれていく、という話。読んでてなんとも微笑ましい気分になってくるというか、楽しく笑える、なかなか面白いラブコメでした。

『ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語』[定金伸治/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]

 これまで集英社でシリーズ2作品及び読みきり2作品を発表されていた作者氏の新作。19世紀の欧州をモデルにした架空世界で、「水気」という技術を用いた花火を作り出すため、差別や妨害にも負けず悪戦苦闘する研究者たちの物語。

 読んでいてわくわく楽しくなってくる話でした。中でも楽しかったのは、やはりメインヒロインのエルフィールの暴走ぶり(笑) 喜怒哀楽が激しく、奇声を上げて走り回ったり円周率を唱えだしたり……最初はどんなヒロインだと思いましたが、彼女の研究に対する熱意と真摯な姿勢には好感。彼女の指導教官となるネルも、普段はちょっと頼りなさそうな印象ながら、差別を受けても表面上は飄々としていたり研究者としてネルを信頼している描写など、場面場面で良いところを押さえているおかげで最終的には結構格好良い人だなーと思いましたし。他のキャラもそれぞれに個性的かつ魅力的。敵役のシューゼルも、主義主張からエルたちとは相容れないだろうけど結構格好良いと思うし。
 キャラの魅力もさることながら、話そのものも面白かった。私は文系の人間ですしエルたちのそれとは少なからず質など違うことと思いますが、それでも共通項は多そうな研究への熱意には共感を覚えましたし、様々な妨害にも負けずに研究を続けようとする姿は応援したくもなりました。

 最後は1話完結と言われても納得できるぐらいまとまっていますが、賑やかになってきたネルの研究室が次はどのような研究成果を生み出すのか等いろいろ気になりますし、先の話もまた読みたいなーと思います。

作品名 : ユーフォリ・テクニカ 王立技術院物語
    【 amazon , BOOKWALKER
著者名 : 定金伸治
出版社 : C☆NOVELS FANTASIA(中央公論新社)
ISBN  : 978-4-12-500966-7
発行日 : 2006/12

適当に部屋の掃除。

途中で本を発掘しては読み始めるものだから、何度も手が止まりましたが。
そして、いつ届くだろうと思ってた『結晶物語 4』他数点が本日到着したからさらに手は止まりましたが。
……それにしても、我ながら昨日今日届いた本(計9冊)を3時間足らずで読了するのはどうなんだ……。

そんなこんなで、2006年もあと数時間となりました。
皆様、良いお年をー。

新刊数点到着ー。

世間様では既に手に入れてる方も多いだろうビーンズ文庫などの新刊、まとめて注文したため一足遅れで入手。
あとは、早売りにも限度があるだろと思わず呟いた『結晶物語 4』が早く届いてくれることを祈ってます。
……つーか、一応本日発送された模様なんですが、クロネコさんって元旦も配達してくれるんでしょうか。

さて、今年の年越し本は何にしよう。
去年は『シャングリ・ラ』があったから良かったけど、今年は寝かしてある本も特にないから自然お気に入りの再読になるかなぁ。
うーん、まぁ適当に本棚漁って考えるか。

『旋風天戯 ~出逢ってはいけないふたり~』[瀬川貴次/集英社コバルト文庫]

 これまで読まず嫌いというか、読もうと手を出したシリーズ1巻目の(思い出すのも頭が拒否してるぐらい嫌なので削除)に挫折、さらに刷り込み状態で苦手意識を持ってしまったためにこれまで手を出し損ねていた作者さん(ちなみに、別名義の作品は問題なく読んでたりする) 新シリーズということで、「別名義は平気だし! そもそも毎回アレが出てくるわけないしっ!」と自分に言い聞かせつつ購入してみた1冊(←前振りが長すぎです)

 感想。思い切って購入した甲斐もあったというべきか、思っていたより土台のしっかりした中華風ファンタジー&ボーイミーツガールモノで、好みの設定が盛りだくさんだったという贔屓目を差し引いてもなかなか面白かったです。
 設定などはあとがきで「ベタな作品」にしようとしたと自ら書かれているだけあってわりと王道中の王道だったりするんですが、場面の描写や話の組立など見せ方が上手いというか。読んでてある程度展開は予想できるんだけど、それでも素直に続きが気になってくるという感じでした。

 さて、今回はメイン二人の出会い(+各登場人物の簡単な紹介)を描いたシリーズ導入編といった趣でしたが、この先彼らがそれぞれの運命に対峙していく中でどのように互いと関わっていくのか、楽しみなところです。

作品名 : 旋風天戯 ~出逢ってはいけないふたり~
    【 amazon
著者名 : 瀬川貴次
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-600867-9
発行日 : 2006/12/22