吸血鬼と人間の共存地帯『特区』を舞台にした吸血鬼と人間たちの物語、「BBB」シリーズ長編第7巻にして第2部完結編。
読書中も読了後も凄いの一言しか出てこなかったです。九龍側の綿密に練られた攻撃の前にどうしても後手に回っていく特区側。そして、遂に――という手に汗握る展開と、平行して描かれる各登場人物の意志に、最後までテンションは落ちることなくむしろ上がっていく一方で。いやーもうとにかく凄かったです。最高。
それにしても、特区側の被害の甚大さときたら。特に、いつかはこういう事態もありえるかと思っていたけど、それでもまだ当面は大丈夫と思っていた人々の退場には驚かされました(つーか、ザザは今回の件で頑張りすぎだってばちくしょうめ) それぞれの形で、それぞれの想いが受け継がれていく描写がなんとも言えません……。
さて、絶望的な状況ではありますが、ここからジローやミミコたちがどうやって挽回していくのか。「賢者」イブと「導主」アダム、対となる二人の血脈の願いは何か。などなど、気になることが盛りだくさんで、とにかく第3部が待ち遠しいです。