高殿さんの「パルメニア」モノ、ビーンズ文庫を飛び出して久しぶりの新作。今回の話は、これまでの作品でも何度かその名は挙がっていたアジェンセン王ルシードと「廃園王女」メリルローズの物語。作者ファンに分かりやすく言い換えるなら、アイオリアの祖父母の話。ちなみに買ったのは通常版(ドラマCDとか聞かないので)
こういうのも一応仮面夫婦になるのかな、と思いつつ読了。ルシードとメリルローズ――の替え玉として嫁がされてきた少女ジルの関係は、今のところ「パルメニアを併呑する」という共通の目的で繋がった仲間関係というところでしょうか。もっとも、お互い微妙ーに意識しはじめているようではありますが。でも、具体的に関係が進展するのはまだ当分先にはなりそう。
内容に関しては、まぁ高殿さんのパルメニアなら鉄板だろうと思っていたとおりの出来というか。主要登場人物の紹介と公国に仕掛けられた陰謀を同時進行させつつの物語展開は、安定して面白く最後まで楽しんで読めました。ああそういえば、ジルとあの星霊が繋がっていたのは意外でした。
続刊への伏線や謎もあれこれ配置されているので、適度にこの先の物語が気になります。ジルが嫁いできた当時の話もちょっと気になるなー。
作品名 : プリンセスハーツ ~麗しの仮面夫婦の巻~
著者名 : 高殿円
出版社 : 小学館ルルル文庫(小学館)
ISBN : 978-4-09452009-5
発行日 : 2007/5
……何度見ても『村田エフェンディ滞土録』文庫版の装丁はイメージと合わない……そして帯ももうちょっと雰囲気に気を使ってくれてもいいじゃないかと思う(←思い入れの強い作品だけに点が辛い)
『天河』はまぁ、原作読者へのファンアイテムという感じですか。最初からさほど期待してなかったので、まぁこんなものだろうというぐらい。この話だけで終わってないし、続刊もでるようです。しかし、どうせならやっぱりユーリの登場してる話が読みたいのですが。
他、ルルル文庫が何冊か積み上がってますが、本命の『廃帝綺譚』はまだ届かず(明日明後日ぐらいになりそう) 到着までに何冊消化できるかだな……
追記:例によって体調が悪く他にすること(できることとも言う)がなかったので、結局全部読了。最初からこれは安牌だろうと見当つけてた高殿さんと霜島さんは予想に違わず満足。この二つは多分感想書く。タニス・リーは言わずもがな。あとの作品は……まぁ、好みに合うかどうかかと。