6月1週目の購入メモ。

『英雄伝説』[半村良/河出文庫]【bk1boopleamazon
『中国小説集』[中島敦/ランダムハウス講談社文庫]【bk1boopleamazon
『Y十M -柳生忍法帖- 7』[山田風太郎(原作)・せがわまさき/ヤングマガジンKC]【bk1boopleamazon
『桜花を見た』[宇江佐真理/文春文庫]【bk1boopleamazon
『首を斬られにきたの御番所 縮尻鏡三郎』[佐藤雅美/文春文庫]【bk1boopleamazon
『火天の城』[山本兼一/文春文庫]【bk1boopleamazon

絶賛現実逃避中。

というわけで、ネットを必要以上にウロウロしてみる。そして、真面目に勉強してる人の日記を見ては凹む。……………………今から頑張るか。

ところで、「印象的な「冒頭の1行」を語るスレ」というのがライトノベル名言図書館様にて紹介されていたのですが。
真っ先に思い浮かんだのが、

「腹上死であった、と記載されている。」(『後宮小説』酒見賢一)

というのは(一応)年頃の娘に分類される身としてどうなんだろうとちょっと思った。でも、このインパクトに勝るものはそうそうないと思うんだ……。

懲りずにまたまた。

6月10日の第116回簿記検定受けに行く予定。
そして、毎度のごとくまたまたろくに勉強してません。いい加減に学習しろよ私……orz
ともあれ1週間ばかり無駄な足掻きをいたしますので、その間更新が滞る可能性があることご了承ください。

5月5週目の購入メモ。

『オイレンシュピーゲル弐 FRAGILE!!/壊れもの注意!!』[冲方丁/角川スニーカー文庫]【bk1boopleamazon
『人類は衰退しました』[田中ロミオ/小学館ガガガ文庫]【bk1boopleamazon
『幻詩狩り』[川又千秋/創元SF文庫]【bk1boopleamazon
『エンド・クレジットに最適な夏』[福田栄一/東京創元社ミステリ・フロンティア]【bk1boopleamazon
『オリエントの夢文化』[矢島文夫/東洋書林]【bk1boopleamazon
『秘曲 笑傲江湖1 殺戮の序曲』[金庸/徳間文庫]【bk1boopleamazon

『廃帝綺譚』[宇月原晴明/中央公論新社]

 壇ノ浦で入水した安徳帝が、神器の力によって琥珀状の玉に封じられ漂い行く先を描いた『安徳天皇漂海記』。その奇想に連なる4つの物語を収めた作品集。

 『安徳~』の系譜ということで、今回も伝奇色薄めの歴史幻想譚でした。『安徳~』に比べると幻想色もやや薄めかも。
 ただ一つの奇想――彼の島のモノに繋がる不可思議な玉によって結ばれ語られる、「廃され追われ流された」4人の帝王。端正な筆致で綴られるそれぞれの滅び、あるいは消え行く姿に、言葉にされる以上の悲哀と情趣を感じます。
 中でも気に入ったのは1話目と3話目。1話目は明朝によって北に追われたトゴン・テムル、あるいは順帝と呼ばれる大元モンゴル国皇帝の話(余談ながら、ちゃんと「ダイオン・イェケ・モンゴル・ウルス」とルビがふってあるのに地味に感動した歴史オタクがここに一人) 寂寥感に彩られながら、それでも奇妙な清々しさを感じる読後感が秀逸。3話目は明朝最後の皇帝、崇禎帝を描いた話。「亡国の皇帝」という部分は1話目と共通するものの、こちらはただひたすらに悲痛。それだけに、彼自身は知らずとも最後に成された奇跡に多少は心が慰められたような気がします。……それにしても、最後にちょっと出てきただけの摂政王ドルゴンがやたら格好良かったなぁ(惚) 他、最盛期の名君であるにも拘らず簒奪者として拭えぬ影を背負わされた永楽帝、承久の乱に破れ流された隠岐で神変と対峙する後鳥羽上皇の物語も、それぞれ深く、魅力的でした。

 信者補正が入っている点は否めませんが、端麗・優美な物語に酔いしれました。次は伝奇か幻想か。どんな作品が読めるのか今から楽しみです。

作品名 : 廃帝綺譚
    【 amazon , BOOKWALKER , honto
著者名 : 宇月原晴明
出版社 : 中央公論新社
ISBN  : 978-4-12-003832-7 → 978-4-12-205314-4
発行日 : 2007/5 → 2010/5(文庫化)