『旋風天戯 ~悪夢は秘かにやってくる~』[瀬川貴次/集英社コバルト文庫]

 神仙の末裔である少女・芦笙と、呪いによって妖魅へと変化しつつある青年・貴琅。「出会ってはならない」二人の出会いからはじまった、中華風異世界ファンタジー3巻目。

 睡虎との戦いで深手を負った一行は、病や傷に聞く霊水が湧くという霊水池を訪れるが、そこでまた騒動が起こり……という内容。今回彼らと対峙した妖魅はこれまでと比べて小物であったためそちら方面はやや物足りなさがありましたが、その不足分を補うように登場人物たちの関係や互いへの意識が見えてきて、また別の面白さがありました。なにより貴琅の心境の変化は、いろんな意味でニンマリしてしまいました。あと、王道らぶ万歳。
 で、直接対峙した妖魅よりも得体の知れなかったあの人。普通に考えたら、やっぱり……なのかなぁと思いますが、それにしてもこれからどういう風な展開をみせるのか、続巻が気になるところです。

作品名 : 旋風天戯 ~悪夢は秘かにやってくる~
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著者名 : 瀬川貴次
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN  : 978-4-08-601044-3
発行日 : 2007/6

『闇の守り人』[上橋菜穂子/新潮文庫]

 短槍使いの女用心棒バルサの物語、文庫版第2巻。

 チャグムの用心棒を終えたことで自身の過去と向き合うことにしたバルサは、幼い頃王家の陰謀に巻き込まれ、養父ジグロと共に逃げだした故国カンバルへと足を向ける。そんな想いと裏腹に、彼女の帰郷をきっかけとしてカンバルでは様々な「闇」が動き出す――と、そんな展開。
 「精霊」と同様に少年の成長物語という側面もありますが、今回はあとがきにもあるようにバルサが過去と自分の気持ちにけじめをつける話なので、自然と彼女の存在が「精霊」より前面に出てきている感じ。
 養父ジグロを貶めた陰謀とカンバルに富をもたらす「山の王」からの青光石〈ルイシャ〉贈りの儀式が絡み、バルサは故国の存亡に関わる大舞台に引き出されることになるのですが。ジグロへの思いと自身の人生を大きく狂わされた怒りを無理に抑えるでもなく、時には吐き出しながら、ある役目を任された少年の用心棒として舞台に向かうバルサの姿が印象的ですね。そして、「槍舞い」の場面はまさに圧巻。相手があの人というのは描写などからなんとなく予想できましたが、そこで伝わってくる想いというのが……なんというか、やっぱり綺麗ごとだけじゃすまないよなぁと……。しかし、あの描写があったからこそ、それが昇華されていく様に心が震えました。あと、謎に包まれた「山の王」と青光石〈ルイシャ〉贈りの儀式の姿は、非常に幻想的で美しかったです。
 そして、諸々の過去に一区切りをつけたバルサが、日常の風景からふとタンダを思い出し、「ヨゴに帰ろう」と考える場面が彼女たちの絆を感じられて何気に良かったなー。

 ヨゴに戻ったバルサが、次にどんな事件に遭遇するのか。7月上旬予定の軽装版でも読めますが、文庫化も待ち遠しいですねー。

作品名 : 闇の守り人
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著者名 : 上橋菜穂子
出版社 : 新潮文庫(新潮社)
ISBN  : 978-4-10-130273-7
発行日 : 2007/6/28

体型がスッキリしてきた影響なのか。

なんだか急に部屋が散らかっているのが気になってきまして、自室が珍しく人外魔境(←自分基準)になる前に掃除開始。
「もしかしたらまた使うかも」と保管していたものも、思い切ってごみ袋に投げ込んでいったため、チェストの中などは随分スッキリ。
今度の休みにでも、無印で目をつけてた収納用品を買ってきて整理すれば、出しっぱなしになってる小物類も片付きそう。
なんだやればできるじゃないか、私(←自分で言うな。というか、その状態を維持してから言え)
さてあとは、部屋の大半を占拠している本の山をどうするかですな……

フィットネスDVD。

流行のビリーは体力的に無理と判断して購入してませんが(←ヘタレ)、最近いろいろ購入して試してます。
その甲斐あってか、微妙に体重&体脂肪率が落ちてきたのでさらにモチベーションアップ。
この調子で目標体重まで落ちるといいなぁ。

触れるのも腹立たしいんですが。

現在差戻審理中の某殺人事件にあんまりむかついたのでちょっとだけ。
とりあえず、被告と弁護団は引き合いに出した作品を100万回ぐらい読み返してから遺族とファン、それから当然作者にも閻魔様の前で土下座して詫びるべきだと思います。つーか、魔界に関しては記述を曲解(むしろ捏造)するにも限度があるだろ(怒)
(6/28追記。「唯一女性転生のある深作版はこの当時まだ公開されてない」と昨日書きましたが、勘違いしてました。事件当時1作目は既に公開されてますね。まぁどっちにしても映画版も確か転生方法が違ってたはずだから言い訳に使えないと思いますが)
ちなみに罪状そのものに関しましては、刑法には公務員試験でかじった程度の知識しかないのでそっち方面からの言及は出来ませんが、感情論で言うならこの被告はとっとと死刑にして欲しいと心の底から願ってます。