8月5週目の購入メモ。

『オペラ・グローリア 讃えよ神なき栄光を』[栗原ちひろ/角川ビーンズ文庫]【bk1boopleamazon
『マギの魔法使い エメラルドは逃亡中!』[瑞山いつき/角川ビーンズ文庫]【bk1boopleamazon
『DOORS I まぜこぜ修繕屋』[神坂一/角川スニーカー文庫]【bk1boopleamazon
『天は赤い河のほとり外伝~続魔が時代の黎明~』[篠原千絵/小学館ルルル文庫]【bk1boopleamazon
『珠華繚乱』[宇津田晴/小学館ルルル文庫]【bk1boopleamazon
『インシテミル』[米澤穂信/文藝春秋]【bk1boopleamazon

『鋼の風 創世の契約2』[花田一三六/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]

 龍族、鳥族、犬族、猫族、人族、そして混血たちの住まう大陸を舞台にした物語、第2巻。

 今回は、五種族の頂点に立つ龍族によって、見知らぬ土地に放り出されたベルネ。「大山脈でお待ちしています」という彼らの言葉を信じるならば、そこにたどり着くためには当然大陸を移動しなければならない。しかし、自由な移動を許されていない人族では、それも難しい。考えた末に、ベルネは一番手っ取り早い方法――傭兵になる決意をし、彼の背景を知った傭兵団「鋼の風」の団長ライゲンベックも、ある思惑からベルネの入団を許したが……という展開。
 1巻終盤の展開から、2巻以降は普通にベルネを主人公に据えた長編になって行くのかと思ってましたが、そう単純な形にはならず。「鋼の風」の面々の目を通した、ベルネ(団長の忠告でレスティという名を名乗っている)の姿と成長を描いた巻、というところでしょうか。ベルネことレスティは剣もろくに握れない素人なだけに、大丈夫なのかと思ってましたが……それぞれに経験を積んだ各隊の人々から次第に評価されていく過程がなかなか面白かったです。また、登場した傭兵団の面々も団長を筆頭にそれぞれ魅力的で。この巻だけで、この「鋼の風」という集団に惚れこんでしまったような気がします。
 あと、人族の街を飛び出して舞台が広がったために、1巻では描かれていなかった部分についても語られていたりして、それもまた興味を惹かれる一因となりました。

 手に汗握る展開も多く、最後まで楽しんで読んでいたのですが……あの凶悪なヒキは何事か。この先レスティや彼らがどうなるのか、とりあえず今は3巻が待ち遠しい限り。あと、未だその思惑が見えてこない龍族の動向も気になるところです。

作品名 : 鋼の風 創世の契約2
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著者名 : 花田一三六
出版社 : C☆NOVELS FANTASIA(中央公論新社)
ISBN  : 978-4-12-500995-7
発行日 : 2007/8

8月4週目の購入メモ。

『やどかりとペットボトル』[池上永一/角川文庫]【bk1boopleamazon
『へうげもの 5』[山田芳裕/講談社モーニングKC]【bk1boopleamazon
『エア・ギア  another trick Message from SpitFire』[大暮維人(原作)・皆川ゆか/講談社KCノベルス]【bk1boopleamazon
『水滸伝 11』[北方謙三/集英社文庫]【bk1boopleamazon
『ドラゴンキラーいっぱいあります』[海原育人/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]【bk1boopleamazon
『鋼の風 創世の契約2』[花田一三六/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]【bk1boopleamazon
『エットゥトハイ 古代タミルの恋と戦いの詩』[高橋孝信/東洋文庫]【bk1boopleamazon
『ウニバーサル・スタジオ』[北野勇作/ハヤカワ文庫JA]【bk1boopleamazon
『私説三国志 天の華・地の風 三』[江森備/ブッキング]【bk1boopleamazon
『怪・力・乱・神クワン 6』[志水アキ/MFコミックス]【bk1boopleamazon

エア・ギアは原作知らないけど作者買い(今月2回目) だって、ゆかさんだったら買うしかないじゃないですか。売り上げに少しでも貢献して運タロを(以下略)

『王慧の鍵 -森の姫とユスタヴァ-』[たけうちりうと/B’s-LOG文庫]

 こちらもあらすじを読んで好みっぽかったので手を出してみた一冊。亡くなった国王の姪であるがため、後継者を巡る陰謀に巻き込まれることになった「森の姫」シルヴィの物語。

 非常に堅実なファンタジー、という印象。言葉遣いや格好のおかげでどう見ても少年にしか見えないシルヴィ。霧と狼に守られた森で魔術師の曾祖母と暮らしていたため世間に疎いところはあるものの、さっぱり素直・純朴な性格には好感を抱きます。シルヴィ以外にも、当面の敵と言えるフェネストラや、気高い女領主ティーア等、総じて女性陣の印象が強かったかな。男性陣は……まぁ次巻以降もうちょっと頑張ってくれれば。つーか、この巻だけでは一応味方兼護衛のはずの二人よりユスタヴァ(シルヴィに従う狼)やメリ(何故か勝手についてきた犬)やノルディラ(道中で借りた気性の荒い馬)のほうが頼もしく感じるのは何故なんだ……。

 一度は逃れたものの追っ手に追い詰められ、というところで……あれだけの出番でも十分その人間性が描かれていただけに、意外なほどの衝撃を受けました。きっと無事だと信じたいですが……。その安否も含めて、この先シルヴィの前にはどのような旅路が待ち構えているのか。まだまだ伏線や謎がちりばめられただけの状態ですが、それだけに続きが素直に楽しみ。

作品名 : 王慧の鍵 -森の姫とユスタヴァ
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著者名 : たけうちりうと
出版社 : ビーズログ文庫(エンターブレイン)
ISBN  : 978-4-7577-3678-8
発行日 : 2007/8/20