WPの動作がおかしい。

数日前から原因不明で管理画面の一部動作がおかしくなり、いろいろ心当たりを探ってみたものの原因は分からず。
あれこれやっても解決しないので、もう一度2.3.1ダウンロード→最低限だけ手を入れて再インストール。データベースも一度削除して投稿等のバックアップデータをインポートしてみる……これでもだめ。
ということは、サーバ側で何かトラブルが起きてる、のかなぁ。(実際、アップグレード時等の動作確認用に確保してる無料サーバでは問題ないし)
……まぁ、そこまで深刻な問題ではないし、普通に投稿する分には大丈夫だから、しばらく様子を見てみるか(←いい加減にわけが分からなくなってきたらしい)

『明治断頭台 山田風太郎明治小説全集7』[山田風太郎/ちくま文庫]

 先日何かの雑誌のベストミステリ特集でも名前が挙がったらしい『明治断頭台』。私はどちらかといえば『妖異金瓶梅』のほうが好きですが、これをベストに上げる人が多いのも納得のミステリであり、明治物としてはいうまでもなく傑作級の作品……つーか、明治物は全部傑作なんですが(←言い切った) なお、ちくま文庫の明治全集はほぼ品切れ状態ですが、これと『警視庁草紙』は流石にまだ一般書店で入手可能。

 さて、本書の内容は、明治維新後、ごく短期間だけ存在した弾正台(役人の不正を取り締まる役所)の大巡察に任じられた2人の青年――香月経四郎と川路利良の2人が、様々な不可能殺人事件に挑む、というもの。プロローグにあたる最初の2章から5つの難事件を経て、物語が収束していく圧巻の最終章という、全8章構成になっています。
 それぞれの事件で用いられるトリックは、いかにも当時ならではというもので、それが実に鮮やかに決まっています。なかでも「怪談築地ホテル館」と「遠眼鏡足切絵図」がお気に入り。前者は「ああそれをそう使うのか」という仕掛けに納得し、後者は実際にあった事が巧みに利用されていることに感心しました。
 ミステリとしてだけではく、理想主義者の香月と清濁併せ呑む川路の友情の行方、彼らの手足となって働く不良邏卒5人と事件解決に重要な役割を果たすフランス美女@巫女装束のエスメラルダといった面々の活躍(?)とその運命の帰着といった物語要素は単純に面白く読めますし、そして(これは明治物全編に共通している要素ですが)後世に名を残す有名人たちの人生の交差も楽しめます。

 そして、この作品の評価を不動のものとしていると思われる最終章、「正義の政府はあり得るか」で用意されていた仕掛けは、解説でも書かれているとおり「読んで驚け」としか言いようがないですね。初読時、どこがどうとは言えなくても微妙に「……?」となっていた部分が、この章で全て白日の下に晒されたときは衝撃でした(この衝撃を味わうためにも、できるだけ予備知識は仕入れずに読むことをオススメします) そして、そこからの怒涛の畳み方がまた……悲壮なはずなのに、奇妙な爽快感も感じる終幕が素晴らしい。

作品名 : 明治断頭台 山田風太郎明治小説全集7
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著者名 : 山田風太郎
出版社 : ちくま文庫(筑摩書房)
ISBN  : 978-4-480-03347-5
発行日 : 1997/8

……無謀だなぁ。

武侠話題が続きますが、今度邦訳出版する古龍の『絶代双驕』(邦題『マーベラス・ツインズ』)、さっそくドラマCD化ですって。
発売前からこういう企画出してくるということは、それなりにやる気があると見ていいのだろうし、やる気があるならそれに越したことはないと素直に歓迎する気持ちもある一方、微妙に不安で一杯なのは何故。

金庸以外の武侠小説。

『秘曲 笑傲江湖』文庫版発売以降、微妙に話題になったりしてる武侠小説。ネットを彷徨ってもなかなか同好の志が見つからず、一人寂しく武侠迷してた身としては嬉しい限りですが、金庸以外の諸作品は日本では入手困難なのでやっぱり気軽にオススメするのは難しいよなーとも思ったり。
現地ではどのあたりが人気あるのかまでは分かりませんが、金石堂の書籍分類を見るだけでも、いろいろ作品はあるようなのですけどねぇ。古龍や梁羽生ですら不遇な現状で、これらが邦訳される日が来るのかどうか(溜息)
え、私は新規開拓しないのかって? 面白そうかなーと目をつけてる本はありますが、まず古龍全部読めて、梁羽生にも手をつけることができてから考えます。……何年かかることやら(←致命的に語学オンチ)

『傭兵王 創世の契約3』[花田一三六/中央公論新社・C☆NOVELS FANTASIA]

 龍族、鳥族、犬族、猫族、人族、そして混血たちの住まう大陸を舞台にした物語、第3巻。

 2巻の凶悪なヒキからさてどういう展開になるのかと思っていましたが、予想していたほど怒涛の展開はなく、良くも悪くも地に足のついた話が展開されたなーという感じ。それだけに地味な印象はどうしても拭えませんが、「鋼の風」のメンバーの絆や様々な形で彼らと関わることになった人々との交流やその意識の変化など、じんわりと胸が熱くなってくるものがありました。
 散々苦労して勝ち取った領地が、ある悲劇を境に不穏な流れに飲み込まれていき……という展開は苦いものがありましたが、最後に彼らを見送ってくれた人々の姿に力づけられました。「またいつか」、ができるだけ早く訪れてくれることを願うばかりです。

 最後に、すっかり忘れかけていたレスティことベルネの目的を思い出したところで、物語は次の巻へ。いまだその真意が見えてこない龍族の動きなども、そろそろ明らかになっていくのでしょうか。気になるところです。

作品名 : 傭兵王 創世の契約3
    【 amazon , BOOKWALKER , honto
著者名 : 花田一三六
出版社 : C☆NOVELS FANTASIA(中央公論新社)
ISBN  : 978-4-12-501009-0
発行日 : 2007/12