『カッパドキア・ワイン 銘醸地ブルゴーニュ誕生秘話』[薗田嘉寛/彩流社]

ブルゴーニュの若き騎士ロマネは、他国で醸造された上質のワインによって窮地に追いやられた故郷のワイン産業の巻き返しを図るため、極上のワインを生み出す葡萄株の入手を命じられる。第4次十字軍に帯同し、中東の地に足を踏み入れたロマネと仲間たちは使命を果たすことができるのか。

 第18回日本ファンタジーノベル大賞の最終選考作。候補に挙がったときからどんな話か気になっていたものの、惜しくも受賞を逃したために十中八九お蔵入りだろうなぁと残念に思っていただけに、こうして出版されたのは嬉しい誤算。

 読んだ感想としては、最終選考に残っただけあって、第18回受賞作に勝るとも劣らない印象。ただ、主人公たちが求めるものこそ多少風変わりではあるものの、話の本筋は良く言えば手堅い、悪く言えばよくある冒険譚という感じで、読んでいる最中は楽しいのだけれど作品そのものの吸引力は若干弱いかも、とは思いましたが。いや、最近のファンノベ大賞はそういう作品多いですけどね。過去の受賞作を思うと、どうしてももっと個性的な作品を!と望んでしまうのですよ。
 あと、イスラーム関係で、ちょっとその人は年代が違いませんか、という人が目に付いたのが残念だったかな。いやまぁ、私が知らないだけで実際にそういう人がいたのかもしれないし、そもそもファンタジーなんだからモデルにしただけというのもありなんだけど。でもやっぱり、超有名な名前を使われると、あれ?と首をひねってしまうというか……(←イスラーム史専攻だったからかどうにもこだわってしまう人)

 そんな個人的なこだわりから気になる箇所もあるにはありましたが、全体的には話のテンポや情景の描写も悪くないし、ホラの吹き具合や小ネタの扱い方はなかなか好みで、最後まで楽しんで読みました。普段あまりアルコール類を飲まない人間なのに(友人と出掛けたときにちょっと飲む程度)、読み進めるうちになんとなく美味しいワインが飲みたいような気分になったのにはちょっと困りましたけどね(笑)

作品名 : カッパドキア・ワイン 銘醸地ブルゴーニュ誕生秘話
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著者名 : 薗田嘉寛
出版社 : 彩流社
ISBN  : 978-4-7791-1330-7
発行日 : 2008/3

『デュラララ!!×4』[成田良悟/電撃文庫]

 池袋を舞台に、それぞれ何かがキレた連中が繰り広げる群像劇、久しぶりの第4巻。

 今回は新キャラ顔見世編というか次巻への布石編というか、おおむね平和な(?)日常編というか、まぁそんな印象が残った巻でした。……臨也が事態に積極的に関わってこなかった(というか蚊帳の外だったというかいろんな意味でハブられてたというか)から、余計にそんな印象が強くなったのかもしれません。
 感想としては……とりあえず、臨也妹×2はキャラが濃いなぁと思ったり。逆にシズちゃんの弟は想像していたより若干大人しめだった(それでもやっぱりそれなりには濃い) そのほかにも新キャラ数名が投入され、結果的に(この作品の)池袋人外魔境化が良くも悪くも進行。ああそういえば、ダラーズサイトにちょくちょく出没していた(様な記憶がうっすらとある)九十九屋も普通に登場してきましたね。そのうちこの人も本格的に絡んでくるんだろうか。

 ともあれ新旧多様な役者が揃った上に、臨也も積極的に絡んでくるだろう次の話は一体どんな騒動になるのか。期待しながらのんびり待ちたいと思います。

作品名 : デュラララ!!×4
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著者名 : 成田良悟
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN  : 978-4-8402-4186-1
発行日 : 2008/3/10

3月1週目の購入メモ。

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『輪環の魔導師2 旅の終わりの森』[渡瀬総一郎/電撃文庫]【amazonbooplebk1
『倚天屠龍記4 魔女と魔剣と』[金庸/徳間文庫]【amazonbooplebk1
『夏の名残りの薔薇』[恩田陸/文春文庫]【amazonbooplebk1
『春秋名臣列伝』[宮城谷昌光/文春文庫]【amazonbooplebk1

『カッパドキア・ワイン』は第18回ファンノベ大賞の最終候補作なのかな?(作者の人の名前が変わってるような気がするけどあらすじは同じっぽい)というわけで購入。

某資格試験対策講座申し込み。

通学は難しいので通信で。
で、早速テキストが届いたのですが……あまりの量に、ちょっと気後れ。これでまだ全部揃ってないのか……。
えーと、とりあえず途中で投げ出さないように、領収書を目の届くところに飾っておこう。