『陽だまりの彼女』[越谷オサム/新潮社]

 個人的にひいき率の高い日本ファンタジーノベル大賞出身の作家氏(『ボーナス・トラック』で第16回優秀賞受賞) 2作目は青春小説で、さて3作目はあらすじによればラブストーリィらしいけど、どんな話だろうというわけで購入。

 仕事先で偶然再会した中学時代の同級生、浩介と真緒。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ、いじめられっ子だった真緒は見違えるほど綺麗に変身していた。交流を重ねていく中、二人の関係は次第に親密になっていくが……と、まぁそんな展開。
 題名のとおり陽だまりにいるような心地よさというか、ふんわりした雰囲気の程よく甘い恋愛小説で、楽しく読めました。あくまで幸せそうな二人の描写はなんとも微笑ましくてニマニマできるのですが、その一方で時折謎や不安が仄めかされ、いったいこの話はどういう風に幕が引かれるんだろうと思いながら読み進めていたら、終盤になってそれまで話の裏側に潜んでいた要素がひょいと顔を出し。このあたりの展開はもしかしたら賛否両論かもしれないなぁと思いつつ、まぁでもそれで話がつまらなくなったわけでもないし、こういう展開もありかなぁと適当に納得。(ネタバレにつき反転)→最終的にはファンタジーというより、現代日本を舞台にした優しいおとぎ話あるいは志怪小説というほうがしっくりくるかなーと思ったり思わなかったり。
 真緒が隠していた「秘密」は何だったのか。必死でそれを追い求める浩介の姿が切なく、今は他人となってしまった人たちとの駅でのささやかなやりとりとその後辿りついた真相に浩介がとった行動がほんのり涙を誘い、そして彼を最後に待っていた存在がなんとも心に温かい。あの後は一体どうなるのか、いろいろ想像してしまいますね。

作品名 : 陽だまりの彼女
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著者名 : 越谷オサム
出版社 : 新潮社
ISBN  : 978-4-10-472302-7
発行日 : 2008/4

所有本、譲ります。

先日からぼちぼち進めていた蔵書の整理も一段落。今回処分するのは段ボールにして約3箱分。
それをせっせと荷造りしている最中にふと思いついたことなのですが。
このまえ山田風太郎の明治小説全集(ちくま文庫)がそろったので、他版はちょっともったいないけど処分してしまおうと思っているのですよ。
しかし、それなりに入手難になってる作品もあるのに二束三文で売り払うのもなんかもったいない。
で、昨年末から細々と明治物の感想を書いている手前、それで興味を持って何か読んでみたいなーとか思ってらっしゃる方がもしもいらっしゃったら、その旨を興味のあるタイトルと一緒にメールででもお知らせいただければ、折角の機会なので(?)送料当方負担でお譲りしたく思うのですが。
まぁ、もし興味のある方いらっしゃったらお気軽にー。

なお、処分予定リストは以下のとおり。
“所有本、譲ります。” の続きを読む

ちょっと切実に休みが欲しいかも。

5月6日でストレスがー体調がーとか愚痴めいたことを書いたその舌の根も乾かないうちに、疲労が許容量をオーバーしたらしくぶっ倒れて病院に担ぎ込まれてきました。(←弱)
とりあえず、点滴打ってもらって薬ももらって、ちょっとだけ回復。したと思う。多分(←あまり自信なし)
あまり無理はしないようにと釘刺されたので、適当に力を抜きつつ乗り切ろう。