人の世を気ままに放浪している根無し草の神様たちが、それぞれに身動きができなくなっている人々の縁結びに一肌脱ぐお話、第2巻。今回はバイトに勤しんでいる川の神様の代わりに森の神様(外見はエゾリス)が登場。展開的には前巻と同じくで、動物の姿のときも人間の姿になっているときも奇跡を起こすでもない神様たちに、登場人物たちが自身の思いや悩みを吐露することで、やがて行動に移っていく、という感じ。なんだかんだ、話しやすい距離にいてくれる神様たちは、そのときどきの行動が微笑ましい。あとやはり、もふもふは正義。
恋のお話のほうは、前巻以上に関係性が狭いと思いましたが、あとがきによれば前巻は「友達」、今巻は「家族」をキーにしたそうなので仕方がないのかも。前巻で転勤していった彼が、新天地で新たな恋に出会えたのはよかったなあと思いました。
山の神様のマヨネーズ、川の神様のチョコレートに続いて今度はコーヒーにハマる森の神様。また続編があって別の神様が出てきたらどんな外見で何にハマるのか、考えるのはちょっと楽しい。あと、「縁結びの神にそっぽを向かれている」ミヤダイ君にも春がくることを願ってます。……ちょっと思い込み強そうだけど悪い人ではないから、あの空回りっぷりがなんか読んでて気の毒になるんで……
作品名 : ただいまの神様
著者名 : 鈴森丹子
出版社 : メディアワークス文庫(KADOKAWA)
ISBN : 978-4-04-892600-3
発行日 : 2017/1/25