秘密結社によって「世界を滅ぼす」兇王子の一人として養育されながら、とある出来事をきっかけに結社から離反、残り五人の兇王子と死闘を繰り広げる青年・ギヴァの苦闘記第2巻。コバルトから2分冊で発売されていた『サーリフの宴』『サーリフの洗礼』が改稿・再構成のうえ、一冊にまとめられています。
で、コバルト版を手放してしまっているので記憶との照合になるのですが、さすがに2冊を1冊にまとめただけあって、大筋は一緒ながらも展開がだいぶ圧縮されていたような印象。あと、表現が地味にマイルドになってたような気がなきにしもあらず。……それでも十分酷いことには違いなかったですけどね! サーリフは記憶と同じく変態王子だったし。ゲスト女性陣の扱いがアレなのは……まぁ、サーリフの能力的に仕方がないか、と思わず遠い目。しかしそれにしても、彼女とか彼女とかがああいう役回りになるあたりは展開知ってても「いやほんと、よくコバルトで出してたよなこれ……」と改めて思いました。あとはとりあえず、ギヴァは本当女難だよな、とか、アンナ・マリアはやっぱり強いなぁとか、アンドレッティもこれからまたやっかいな目に遭いそうだな……とか、そんなことをつらつらと思った。
さて、とりあえずこの巻で既刊は消化。以前からの読者としては、この続きが発売されるのかがとても気になるところですが、どうやら秋には完全新作「ヴァキオの嵐」が発売決定している模様。今度こそ完結まで読めると思うと、なんだか感慨深いなぁ……と思ったりしつつ。とりあえず発売を楽しみに待とうと思います。