謎の美女・金星の「婿候補」として、一寸先は闇どころか何が起きるか分からない列車に乗り込み、なりゆきから一緒に行動することになった3人組の冒険、第2巻。
変わらず謎だらけ、危険と隣り合わせの旅路が続いていますが、そんな旅の中でもなんだかんだと仲良く付き合ってる錆丸・砂鉄・ユースタスのやりとりが楽しくて仕方がなかったです。しかも金星の相手に選ばれるのは(おそらく)一人だけだろうし、それぞれに語られていない部分や謎もある3人ですから、いつまでこのままの関係が続くかどうかはわかりませんが、この先どうなっても大きく崩れないと良いなぁ、と思う。
お話的には、雑誌掲載分の第3話「祇園精舎に孔雀鳴く」と第4話「月影よ射貫けシャングリラ」の2話+書き下ろしが収録。密林冒険だったり高地踏破だったり、1巻と比べて金星の試練も本格化してきた、というところでしょうか。結構シビアに書くところは書いてあるのが、なんとなく印象的でした。
書き下ろしは第3話~第4話中、錆丸が聞こえていないところでの砂鉄とユースタスのやりとりなのですが、これが想像以上に破壊力が凄かった。この二人の関係と距離がとてもツボすぎる。しかし、ユースタスは実は……だったら嬉しいなぁ、と1巻の段階で思っていたのですが、今回収録分の書き方とか見るとどうもそう単純なことにはならなさそうな感じ?
ともあれリミット前になんとか特急に再乗車して、次の目的地は何処なのか。そして、金星特急に途中乗車(!)してきたユースタスの旧知らしい「殿下」は何者なのか。その他にも細々と謎は増量されていますし、恋愛成分も増量されるらしい次巻ではどんな展開が待っているのか。とても楽しみです。