何度かの延期を経て発売された三国志な乙女ゲーム『三国恋戦記~オトメの兵法!~』(公式サイト) 三国志好きとしてなんだかんだで楽しみにしていたので、発売日に確保して以来ニヤニヤしながら遊んでます(不気味)
システム的にはわりとサクサク動くので不満は特になし。個別ルート入って以降、シナリオ・選択肢の量に差があったのは残念ですが、内容的にはバリエーションもあって楽しめたのでまぁ良し。何気に細かい演出があったりして、2周目だとなるほどなるほどーとニヤリとできたりするのも良かった。三国志ネタもほどほどに入ってて、そういう意味でも楽しい。モブ含めて脇キャラもいちいち良い味出してるしなぁ。特に仲謀軍。子敬さんとか大喬小喬とか子敬さんとか子敬さんとか和みすぎる。それと、孟徳軍屈指の苦労人・元譲がとてもとても好きです。なんで攻略対象じゃないんですか……orz
以下、キャラ別感想。ネタバレについてはあまり気を使ってません。
・主人公
デフォルト名は「山田花」。平凡すぎて逆に新鮮な気がしてくる不思議。
特に三国志マニアなわけでもない(当たり前だ)、現代日本の女子高生としてはごく普通の感性を持つお嬢さん。自分(というか不思議な本というか)の策で人が死ぬという事実に葛藤し、関わりを持った人はできるだけ傷ついてほしくない、と自分なりに何とかしようと頑張る様子とか、プレイしてて普通に良い娘だよなぁ……としみじみ思います。
・孟徳
見た目ナンパで軽い人。しかし実際はヤンデレ気味というか、過去の経験等から極度の人間不信になってる厄介な人。ちなみに乙女ゲームの攻略対象にあるまじきことに○○○○持ち(BADエンドの一つ)という。いや、これ見た瞬間爆笑しました。私は歌妓さん出てきた瞬間に、「もしかしなくてもモデルは玲瓏さん!?(注:蒼天航路で使われた卞夫人の名前)」と目を輝かせるようなヤツなので、あっさり流しましたが(時代設定的にも普通だしねぇ)、嫌な人は嫌かもなぁこれ、と思ったり思わなかったり。
この人のルートのテーマは「信頼」かな。いろいろあって、孟徳の余裕がなくなってからの展開がなかなかハラハラして面白かった。そして終盤で、「え、まさかの18禁展開?」とか一瞬考えた私はダメな大人です。……冗談(?)はともかく、孟徳がマジ泣きまでするあの一連のシーン好きなので、何でこれシーン回想にないの!と叫んでしまいました。いや、いつでも見られるようにセーブデータ作ったけど。
……しかしこのルート、文若の安否がかなり真剣に不安……。いやでも、おじいさんもいきなりそんなの準備はできなかっただろうししかも当夜にあの大騒ぎだし……なんだかんだで猶予ができて、そのあとちょっと落ち着いた二人が話し合う機会作って、無事回避されたと信じておく。……信じさせてくださいお願いだから。
・文若
生真面目・堅物・神経質と三拍子揃った、眉間の皺がトレードマークな人。ゲーム中では元譲との鉢合わせシーンとか孟徳に嫉妬してる様子とか徐々に優しい対応になっていく(ただし基本的に遠回しで分かりにくい)過程とかにニヤニヤし、ソフ○ップの予約特典ドラマCDではもう、いちいち分かりやすく動揺しまくる様子にニヤニヤゴロゴロいたしました。あ、あと過去に飛ばされた時の反応は「お願いだから空気読んでください」と思いつつ、爆笑した。
……こう書くとなんかネタキャラのようですが、ルート内容は一言でいえば「(作中ではそのものの演出はないけど)空箱阻止」という感じで至って真面目。自分の信念を曲げず、それ故に絶望に囚われかけていた文若が、花ちゃんの必死の想いも手伝って自分の役割を全うしようと奮起する展開が純粋にいいなぁ、と思いました。ちなみにこの人関連では「月光」イベントがとてもとても好きです。
……本当、良い人なだけにノーマルルートが悲しすぎる。回避する方法ないのかあれ(号泣)
・仲謀
年下ツンデレ俺様王子様。歳相応のケンカップルに、「いやぁ、若いねぇ」とニヤニヤした。人間的に段々と成長していく様子が分かるのも魅力。
そして、ルート途中でちゃんと両想いになるのは彼だけだったりする。そして、立場などから生じるそこからのすれ違いがまたごろごろものでした。ロミジュリ展開とか陰謀阻止のために花ちゃんが替え玉になって玄兄との結婚式を行う場面とか、二人とも切ない切ない。
・公瑾
本人ルート以外では大体ヒールになる人。そして本人ルートは、恋愛というよりカウンセリングしてるような気分にならなくもない。
そんな地味に困った人ですが、乙女ゲームなので当然床ローリングイベントはあり。個人的には、花ちゃんを思わず抱きしめそうになる→自分の行動に気がついて腕が止まる&なんとも言えない表情→思いっきり厳しい表情と冷たい声で突き放すのコンボが極悪すぎた。あと、琵琶の弦を整えているときに、話の流れで花ちゃんが玄兄のことを褒めた途端にものすごい音が鳴るイベントは、「お兄さん分かりやすいですね」ととてもニヤニヤしました。
ところで、告白場面ではもしかしなくてもこの人ヘタレ具合は作中一なんじゃないだろうかと思った(酷) 文若の方がきっぱりはっきりしてて男らしかったよ絶対!
・早安(隠し)
……彼に罪はないのだけれど、名前を見るとどうしても個人的に核地雷級の認定を下している某小説を思い出して複雑な心境になる……。
えーとそれはとにかくシナリオ的には、刺客として育てられ自分の役割に疑問も何も感じなくなっていた少年が、花ちゃんと交流するうちに……という展開である意味とても王道。笑顔スチルはお約束だな!と思いつつぐらっときました。基本無表情なキャラはこういうギャップがいい。
エピローグは何というか、幸せ若夫婦という感じでしみじみ良かったねぇ、と思いました。……しかし、何気に攻略キャラの誰よりも将来設計しっかりしてるな君……。
・玄徳
正統派ヒーローポジション、になるのかな。頼れる兄貴。場合によっては尚香ちゃんと政略結婚したりする。
この人のルートもすれ違い恋愛。端で見てる分にはバレバレなのに!ともどかしく思いながら進めていただけに、ラストはもうごちそうさまーみたいな。
あと、EDで明らかになった、「包容力のある態度に隠れてるけど実は孟徳以上に自重していなかった」という事実が地味に衝撃でした(笑)
・雲長
体験版であれれ?と思う演出があり、それから予想されたとおりの設定だった人。ちょっと特殊なルートになるためか、恋愛色はやや薄口だったような気がする。
いろいろと不憫な人なので、花ちゃんが他の人ルートに行っても何とか救われてほしいと思う。
・翼徳
イメージを一言で言うなら、大きいわんこ?(←をい) わりとほのぼのなルートでしたが、死亡関連のエピソードが上手い具合に取り入れられてて、ちょっと面白かったです。あと、花ちゃんが元の世界に帰るかも、というときに笑顔で送りだそうとするのが良い子だなぁ……と思いました。
……しかし、実のところ本人よりもちょっとだけ顔を出した士元にぐらっときた。なんだかとてもごめんなさい。
・子龍
天然真面目な男の子。お約束シチュ(水浴び中にばったりとか花ちゃんと仲良くしてる師匠に嫉妬全開とか)が多くてニヨニヨしました。
ところで、ED曲への入り方が一人特殊なのは、スタッフの愛なんだろうか。
・孔明
個人的に思いっきりダークホースだった。いや正直、この人にだけははまらないだろうと思っていたんですけどね。設定バレされた瞬間、「私にその設定を持ってくるなああああっ!」と内心で絶叫した。その設定は○○○○(ネタバレ度MAXのため伏せ)以来、どうも弱いんだ……! EDで流れる、飄々とした態度の裏に隠れた本心が実に切ない。さらに、へたりこんだまま、花ちゃんを呆然と見つめる師匠が実に良い良い。
個人的キャラ&ルート好き度は
文若>孟徳>仲謀>孔明=公瑾>以下同率
ぐらいかな。孟徳軍への愛情は、もともとの魏スキー補正がかかっていると思われます。
そして主君を押さえて文若がお気に入りなのは、魏の頭脳集団スキー補正が(略) だって、作中登場してなくても文和とか公達とか仲達とか長文とか(以下延々と続くので略)が同僚にいるにちがいないんですよ! そんな私得すぎる状況、想像するだけでテンションが……!(落ち着け)
えーと。全体的な感想としては、物足りない部分もあるけれど事前に予想した以上にツボにはまりまくったので、エピソード補完したFDとかが発売されたら嬉しいなぁ、と思います。