諸事情から軟禁生活を余儀なくされている少年パウロ@超現実的かつ俺様主義と、本に魂を囚われた錬金術師フィラレテス@根がお人好しのジャパニメーションマニアが17世紀のプラハの街で繰り広げる冒険劇、最終巻。
大人の事情か、主に「The DAY」内の冒険がいろいろ駆け足になってしまった気もするけれど、最後までパウロ最強伝説は健在だったなぁ……と読後思わずしみじみしてしまいました。
ともあれ、「The DAY」での結果的に最後になったミッションを経て、現実世界に持ち込まれた諸問題。内心動揺していてもそれを表に出さずにマイペース(≒ゴーイングマイウェイ)で口から出まかせは基本として使えるものを使い倒して問題を片付けていくパウロ君の姿が、実に頼もしいというかなんというか(棒読み) 一方で、フィラレテスに対する態度やら何やら、一度身内と認めた人間にはわりと甘い&それなりに面倒見がいいから、ギリギリのところで完全に「嫌な奴」という評価にはならないんだよなぁ……。
さて。最後はもういろんな意味で鬼に金棒状態になったパウロ君。これからどうやって自分の力を蓄え、恨み重なる祖父に仕返ししていくのか気になるところではありますが……まぁとりあえず、みんな人生楽しんでください、という感じのラストで良かったです。
作品名 : THE DAY Waltz 3
著者名 : 前田栄
出版社 : 新書館ウィングス文庫(新書館)
ISBN : 978-4-403-54150-6
発行日 : 2010/3/9