庶民派少女ミレーユと、周囲の個性的な面々が繰り広げる王道ラブコメファンタジー、第10巻。
登場人物関係。今回主役カップルは直接の接触がなかったのでらぶらぶな姿が見られなかったのはやや残念でしたが、リヒャルトへの想いを胸に奮闘するミレーユと、いろいろあってついにキレてしまったリヒャルト(+死ぬほど狼狽した時の発言)だけで十分床ローリングできたので良しとする。あと、「ミシェル」が実は女性でしかも未来の大公妃(予定)と知った第五師団の面々がパニック起こしたりショック受けてる様子に大笑いした。そういえば前巻ラストでまさかのピンチか?と思われた(しかし、読者的にはあまり心配されてなかったのは彼の人徳か)フレッドはああやっぱりねぇという。そりゃまぁ、フレッドだもんなー。(何気に酷い言い種)
そんなわけで相変わらずキャラ同士のやりとりは楽しいものでしたが、シアラン王宮に乗り込んだミレーユを取り巻く状況はというと、どうにも厳しい。ミレーユも必死で戦っているのだけれど、相手が一枚も二枚も上で。どこまでが偶然でどこまでが計算なのか、その場で選んでいる選択は悪いものではないはずなのに、ミレーユ個人は徐々に追いつめられていく様子にヒヤヒヤした。おまけに最後になってあんなことに・・・。リヒャルト、ここで負けたら男がすたるぞ!
あとがきによれば、シアラン編は次で幕が下りる様子。・・・わざわざ「シアラン編」と書いてあるということは、シリーズはまだ続くのかな?でも、その後の文章読むとシリーズ完結もありそうな気もするしなぁ。まぁともあれ、リヒャルトとミレーユ、二人の恋がどうなってしまうのか。そしてシアラン公国は誰の手に委ねられるのか。次巻の発売がとても楽しみです。