「ソフィアの宝石」シリーズ展開中の渡海さんの読みきり。ひょんなことから竜珠を食べてしまった落ちこぼれ魔法使いの少女とそれを取り戻すために彼女のもとに押し掛けてきた水竜が、竜珠を取り出す方法を求めて魔女の元まで旅する話。
王道ラブストーリィで普通に面白かったです。トラブルを乗り越えていく中で絆を深めていく主役カップルの旅路は、テンポが良いのも手伝ってかニヤニヤしながら楽しく読めるし(つーか、表面的にはなかなか進展しない「ソフィア」の二人に爪の垢を煎じて飲ませてやりたくなった・苦笑)、なにより1冊できっちり綺麗にまとまっているのが好感度高かったです。ただ、水竜が「暴君」という設定のわりに、あまりそういう側面が出てなかったのがちょっと勿体ないなーとは思った。
あと、導入部だけの出番というのが残念になるほど家族がいい人たちでした。あの後、2人がどんな顔をして家族の前に行ってどういう風に話をするのか、想像するといろいろ楽しい(笑)
どうでもいいけど、「命を賭けた恋物語」という文句はちょっと詐欺なんじゃなかろーかと思った。いや、間違ってはいないんだけど。でも、なんというか、その言葉から連想するような内容ではなかったというかー。
作品名 : 失恋竜と契約の花嫁
著者名 : 渡海奈穂
出版社 : ビーズログ文庫(エンターブレイン)
ISBN : 978-4-7577-4328-1
発行日 : 2008/7/15