龍族、鳥族、犬族、猫族、人族、そして混血たちの住まう大陸を舞台にした物語、第4巻。伏線回収が始まって、ああもう終わりが近いんだなーとあらためて実感。
「鋼の風」と別れ、龍族の住む大山脈を目指すベルネことレスティ。その旅路の中で遭遇するもの、見えてくるものは……という感じの展開。なんやかんやで賑やかだった「鋼の風」と面々がいなくなり、これからはまさかレスティの一人旅になるんだろうかと思っていたのですが、そうはならず。目的はそれぞれながら、龍族と見えることを望む各種族の人々が旅に順次加わっていくことに。で、その彼らが同行者となる過程や、物語の中では柔軟な彼らの中にも深く根付いている思想や互いへの偏見・先入観といった様々な要素の克服というか歩み寄りというか、まぁとにかくお互いを旅の仲間として認めていく様子などが、相変わらずの淡々とした筆づかいにもかかわらず面白く読めました。
あと、1巻限定の脇役だったと思っていた二人の再登場にはちょっと吃驚。中でも彼女が追いかけてきたのは嬉しい誤算だったかも。しかし、それならそれで2~3巻でも同行してくれていれば、徐々に絆を深めていく様子も堪能できただろうに、とちょっと惜しい気がした。
さて、これまでの話の中で生まれた流れが、様々なところで結びつき、また新たな流れを呼び込みつつある状況ですが、果たしてレスティの旅の終わりはどのような形となるのか。そして龍族の目的は……などなど、あれこれ予想しつつ最終巻となる5巻を楽しみに待ちたいと思います。