『マーベラス・ツインズ1 謎の宝の地図』[古龍/GAMECITY文庫]

 武侠御三家の一人古龍の人気シリーズ『絶代雙驕』、何故だかシリーズタイトルが横文字になっての邦訳。……絶対原題のほうが格好いいと思うのは私だけですかねぇ……。
 えーと、出版元の実績はまぁそれなりに信頼するとしても、(個人的に)微妙なシリーズタイトルが某エニッ○スから発売されていた作品の悪夢を思い出させてやたらと不安を誘いましたが、読んでみるときちんとした訳文だったので安心して楽しく読むことができました。……本当、もしあれとか火鳳レベルだったらどうしようかと……(←自分を棚に上げた発言はしないように)

 それはさておき、この作品の感想。まだ1巻目ということもあってか、内容的には主人公の小魚児の人となりや登場人物たちの顔合わせが終わったというぐらい。それでも登場人物の個性や勢いで十分面白く読ませてくれますし、読み進めるうちにこの先話がどう転んでいくのかとにかく楽しみになってくる感じです(←ファンの贔屓目)
 基本的にアクの強い登場人物が多い古龍作品ですが、この作品もその例に漏れず。小魚児からして、江湖の人々に恐れられている悪人たちに養育された過去を持つ、どうにも主役らしからぬ悪知恵に長けた少年だし。一方、もう一人の重要人物で、裏表紙のあらすじでは今のところ「宿命のライバル」となっている花無缺はいろんな意味で小魚児と正反対。この2人の少年の因縁やこの先どのように関わっていくのかが普通に気になるところ。加えて、ヒロイン候補と思しき女性陣もそれぞれかわいくて幸せ気分ですが、古龍作品は女性もわりと容赦なく酷い目に遭う確率が高い(気がする)のでちょっと不安だったりする。

 さて、策をもって花無缺の目を欺いた小魚児の前に現れたのが誰なのか。続きは2月下旬予定の2巻のお楽しみ、ということで。3巻までは発売が確定しているようなので大丈夫だろうと思いますが、ちゃんと最後まで訳してくれますように(祈) そして、これが売れたら翻訳が止まってる陸小鳳の続刊が発売されたり、辺城浪子とか歓楽英雄とか白玉老虎も再販してくれるだろうか……と淡く期待。

作品名 : マーベラス・ツインズ1 謎の宝の地図
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著者名 : 古龍(川合章子:訳)
出版社 : GAMECITY文庫(コーエー)
ISBN  : 978-4-7758-0641-8
発行日 : 2008/1/24

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