「パラケルススの娘」第7巻。今回の話は某有名作品へのオマージュにもなってます。
今回の話に関しては、あまり突っ込んだことを書くとネタバレになってしまうんですが……とりあえず、無邪気で愛らしい少女と、不気味で醜悪で怪物。その第一印象が反転していく様は、定石どおりとはいえ見事でした。そして、他にどうしようもなかっただろうとはいえ、あの結末にはなんともいえない気持ちにさせられました。……ところでどうでもいい話だけど、クリーチャーの容貌がどうしても脳内でデニーロになってしまうのは私だけでしょうか。いや、今まで観た中ではあの映画のクリーチャーが一番この話のソレとイメージが近いなーという単純な連想なのですが。
メインストーリィに関する部分では、クリスティーナとレギーネ、そして「彼」の因縁の全体像が徐々に明らかになりつつあったりとか、遼太郎の能力とか、跡部家で再燃する陰謀とか、全体的には非常にゆっくりとではあるけれど着実に動いているなーという印象。
ともあれ、様々な因縁が一箇所に収束しつつあるこの物語が果たしてどのような結末を迎えるのか、続きが気になるところです。
作品名 : パラケルススの娘 7 ラーオ博士のサーカス
著者名 : 五代ゆう
出版社 : MF文庫J(メディアファクトリー)
ISBN : 978-4-8401-2045-6
発行日 : 2012/9/1