神仙の末裔である少女・芦笙と、呪いによって妖魅へと変化しつつある青年・貴琅。「出会ってはならない」二人の出会いからはじまった、中華風異世界ファンタジー2巻目。
1巻に引き続き王道ベタな内容ではありましたが、作家さんの見せ方が上手いのか最後まで飽きずに楽しめました。ベタなばかりではなく、例えば今回主人公たちが対峙した妖魅・睡虎はなかなか味のある珍しい性格・動機設定がされていたりと、時々出てくる思わぬ演出がまた面白かったです。
登場人物も、2巻目になって段々それぞれの個性が出てきて良い感じ。特に縁は、基本的にシリアス調の話のなかでいい感じの息抜きになってるというか。本人としてはいろいろ真剣なんだろうと分かってるんですが、それはそれとしてやっぱりいいキャラしてるなぁと思います(笑) あと、ゲストキャラの仁はある程度読み進んだ段階でそういう存在なんだろうなーとは思っていたけど、やっぱり切なかったですね……。
さて、何とか危機を脱し、なし崩しに貴琅も加わった一行。しかし、力のある妖魅が立て続けに斃れたことで妖魅の間でも噂が流れつつある様子。芦笙と貴琅、思わせぶりに仄めかされる二人の運命がどういう風に絡んでいるのかも含めて、先の展開が気になるところ。
作品名 : 旋風天戯 ~はかない想い~
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著者名 : 瀬川貴次
出版社 : 集英社コバルト文庫(集英社)
ISBN : 978-4-08-601003-0
発行日 : 2007/3