薬師のカナギと謎の詩人、元暗殺者の少女ミリアンの3人の旅路を綴ったシリーズ第5巻。
囚われた詩人を助けるため、帝都に乗り込んだカナギとミリアン。そこでは、思わぬ運命が彼らを待ち受けていた――という展開。毎回、このシリーズはいつからこんなに面白くなったのかと嬉しい疑問を感じるのですが、今回の話も期待に違わず、最後まで一気に読んでしまうぐらい面白かったです。巻を重ねるごとに鮮明な形になってくる世界設定は勿論、状況の変化によって動く登場人物たちの立ち位置や関係など、飽きさせてくれません。特に今回は、これまで脇役だと思っていた人が一転意外な役割を振られていて、驚きました。これまで行動を共にしていた人との関係も含めて割と気に入ってた人だけに、この先どうなっていくのか気になって仕方がないです。ハッピーエンドになって欲しいので、彼の奮闘に期待。
さて、皇帝の望みに対して詩人が告げた言葉は、世界にさらなる悲劇と混乱を約束するものなのか。「書くのに少し体力がいりそうな話」(あとがき談)という次巻で一体どんな展開が待っているのか、今から楽しみです。
作品名 : オペラ・ラビリント 光と滅びの迷宮
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著者名 : 栗原ちひろ
出版社 : 角川ビーンズ文庫(角川書店)
ISBN : 978-4-04-451405-1
発行日 : 2007/3