どこにでもいる普通の人、針山さん。彼の周辺で起きる異常な事件の数々を描く連作短編第2弾。
今回収録の各話で扱われているのは、悪霊に悪の組織に死霊使いに正義のヒーロー。なんかもう、1巻に拍車をかけて成田作品屈指のカオスな勢力図が形成されてます(笑)
個人的に一番面白かったのは、書き下ろしの最終話「柏木クロスの真っ赤な死」。ザコなはずの悪の組織の戦闘員(その実、あとがきで作者が断言してるように針山さんワールド最強キャラだったりする)に敗れ、さらに己の存在そのものを否定する事実を知らされ、諦念に捕らわれそうになり……そこからの復活が見事。熱血系はそれほど好きでもないんですが、それでも素直に応援したくなるキャラでした。次点は「としれじぇ2」。このシリーズ(?)は元ネタになってる都市伝説のひねり具合が面白いなーと思います。
さて、3巻ではどんな事件が起こって針山さんワールドのカオス化が進んでいくのか、ちょっと楽しみです。
作品名 : 世界の中心、針山さん 2
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著者名 : 成田良悟
出版社 : 電撃文庫(メディアワークス)
ISBN : 978-4-8402-3724-6
発行日 : 2007/2